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魅了された音楽やダンスがあると、映画を繰り返し見たくなり、繰り返し見れば見るほどさらにその映画が好きになってしまう、という魔力も持っている。一度はまると限りなく深みにはまっていく、という魔性のジャンル。中毒性はあるかもしれないけれど、危険は皆無の魔性。危険どころか、『シンデレラ』の優しい3人の魔女のように、歌とダンスという呪文で一気に夢の世界に誘ってくれるし、『メリー・ポピンズ』のジュリー・アンドリュースのように心を和ませてくれるし、『雨に唄えば』のジーン・ケリーのダンスのように元気もくれる。ミュージカル映画は、そんな素敵な魔法に満ちたジャンルなのだ。(「ミュージカル映画の誘惑」より)
ドン・ロックウッドとコスモ・ブラウンの2人はヴォードヴィルの人気者、切っても切れぬ仲の良い友達同志だった。1920年代、2人はハリウッドにやって来て、インペリアル撮影所で仕事をみつけた。そのうちドンは西部劇でスタントマンになり、俳優として契約され、調子よくサイレント映画のスターになることが出来た。彼の相手役リナは、美人だが少々ぬけた女、そのくせお高くとまっていて、ドンは好きになれなかったのだが、彼女は自分からドンの恋人だと決めてかかっていた。だからドンが若くて歌も踊りもうまいケーシーと恋仲になったとき、リナはナイトクラブに職をもっていたケーシーをクビにさせてしまった。ドンの悲しみをよそにケーシーは町を去り姿を消してしまった。そのころ最初のトーキー映画「ジャズ・シンガー」が世に出て大当たりをとった。インペリアル撮影所のボス、R・F・シンプソンもドンとリナの新しい主演映画「決闘の騎士」をトーキーで作ることにきめた。その撮影中、ケーシーはやはり同じ撮影所で製作中のミュージカルに端役で出演していた。