研修医の深谷敦は職場ではクールビューティなどと評されているが、それとは裏腹にある男の前では身も心も官能に溺れてしまう別の一面も持っていた。その相手とは、高級秘密クラブ『K』の経営者でやり手の的場伊織。出会いは敦がまだ受験生だった頃にさかのぼる。『K』の舞台上で的場の手によって快楽への道を教えこまれ、やがて恋人同士になったのだ。そんな敦が一月間の禁酒を命ずると、的場はそれができたなら「俺の言うことを何でも一つ聞くこと」と条件を出す。そして一か月後、賭に負けた敦は『K』に呼び出される。まさか、またもやあの舞台に引きずり出され、大勢の客の前で体を自由にされてしまうショーに出演させられるとは……。そして予想すらしていなかった事態に――！？
好評『背徳の夜の薔薇』の八年後を描くエピソード登場。独立して読める番外編にして濃厚な味わいたっぷりの単行本未収録短編！
※こちらの作品にはイラストが収録されていません。

医学部志望の受験生、深谷敦は一年以上も連絡のない兄を捜して上京する。自身の将来が不安で兄に進路の相談をしたかったのだ。だが唯一の手掛かりといえば兄が残した『K』という店の名刺だけ。
その『K』とは政財界の大物もお忍びで通う会員制の高級秘密クラブだった。そこへボーイを装って紛れこんだ敦は、美貌のオーナー、的場伊織と運命的な出会いをする。伊織に見破られた敦は、何と罰としてショーに出演させられてしまう。衆人環視の舞台の上で、伊織の手によって敦は恥辱と悦楽へと導かれ、自身のうちに思いがけず潜んでいた官能を開花させられた。
兄を捜すために店でのバイトを勧めた伊織は、冷たいかと思えば優しい態度で敦を翻弄する。彼が敦に与えた店での呼び名『暁臣』には、何か特別の意味が込められているようだったが……。無垢な少年がきらびやかな夜の花とへ調教されていく禁断の世界の物語。
※こちらの作品にはイラストが収録されていません。