レビュー一覧

紙の本でも持っていますが、いつでもどこでも読みたいので、こちらでも購入しました。私は最初に高校の授業で原文を一帖から読み、次に早く先が知りたくて円地文子の全訳本、そして大学に入ってからこの漫画に辿り着きました。衣装や設えの絵が美しく、要所要所の心情表現も正確な読解に基づく深い掘り下げがなされており、何度読んでも新たな気づきがあります。源氏はアーサーウェイリー版など英語版も二種類読んでいますが、やはり歴史、文化、背景への理解が甘く、底の浅い解釈だな〜と思ってしまいます。現代語訳や英語訳と原文を比較すると、訳出できていないところが多く、その「翻訳できない」ところこそが、本居宣長の言う、真の日本文化であり「まごころ」なのだと思います。大和氏は描きながら学び、最終的には原文を読み込んでいらっしゃったと聞いています。古文を読む力がある大和氏が、現代語に訳出できない深い情趣を、素晴らしい画力による象徴的な表現で誰にでも理解できるようにした傑作が、この「あさきゆめみし」だと思います。

mimi連載当時は毎号の掲載ではなかったので待ち遠しかった覚えがあります。漫画にいい顔をしなかった親を納得させるのは「あさきゆめみし」と「日出る処の天子」でした。光源氏の生まれる前から藤壺女御との出会い、元服までは、「原文を漫画にしてくれてあらすじが追いやすい」なんてものではなく、大和先生のほぼオリジナルとみてよいと思います。数多の作家の現代語訳にも負けていないのではないでしょうか。少女漫画「ラブパック」からの進化がすごいと思いました。

子供の頃に少し読んだのですが、その時はあまりよく理解できなかったような気がします。再度読んでみて、人生の深さのようなものを感じました。大和和紀先生の漫画は絵も素晴らしいです。

古い感じだなって思います。あさきゆめみし自体は嫌いじゃないですが、絵がもう無理でした。

源氏物語を漫画化した作品の中でも、2つの点で名作と思います。1つは源氏物語の大まかなあらすじや主な登場人物を分かりやすく把握できるため入門書として最適であること、もう一つは絵が源氏物語の世界に相性が良いため、娯楽作品として楽しめることです。源氏物語に興味のある方、授業等で勉強しなくてはならない方にはお勧めです。

原作に忠実で絵も美しくまさに名作ですね。何度読み直したことか。女性たちの顔が区別できないという人もいるのですが何度も読み直すとはっきり違いがわかります。

源氏物語をここまで表現できるなんて、本当に素晴らしい。絵も素晴らしく美しいし物語も、難しい主題なのにとても丁寧に描かれていて引き込まれてしまう魅力があって、脱帽です

源氏物語原文と同様、後世に残る名作だと思います。繊細な絵柄、分かり易い解釈。作者に対して頭が下がる思いです。

源氏物語に興味が持てたのは、この作品のおかげです。女性たちの潔さ・・・儚さ・・・強さ・・・苦しみ・・・雅な中にも人の業の深さを感じます。読み応え満点！！　おすすめです。

源氏物語をコミカライズした数々の漫画の中で最も有名な作品だと思います。源氏の生涯と共に、彼が愛した数多の女人達の生き方を描かれています。他の方々のおっしゃる通り、絵を見るだけでも楽しめる作品。四季折々の草花、当時の調度品や衣装、寝殿造りも細部まで、しっかりと描かれています。そして、黒髪の美しさ…。特に末摘花の後姿…（笑）当時、お年玉で人生最初で最後のイラスト集を購入しましたが、子供心にもひたすら美しかったです。今も勿論持ってます。大人の目で見ても、やはり素晴らしい！流石、大和和紀先生。魅せて下さいます！一番心に残っているのは、紫の上の最後の言葉です…。そして、その後の源氏を見て少しスッキリ、少し哀しくなっちゃいました。やっぱり紫の上が居ないと…！その後、孫たちの物語、匂宮から宇治十帖、夢浮橋まできちんと描かれてます。