レビュー一覧

アドリアンイングリッシュシリーズにドハマリして、同じ作家さんの作品を読み漁ってますが、こちらは 主人公のピーターが 誰の目にも明らかな狡い男のコールに学生時代からずっと想いを寄せていた事実に全く共感することができませんでした。記憶喪失の中、追い詰められていくハラハラ感は楽しめました。

怪我を負った主人公が記憶喪失になり、疑いをかけられたり犯人の罠に嵌まって警察に捕まったり釈放されたりとハラハラドキドキしました。自分が好きだったのは誰なのか思い出していくのも、色々葛藤しながら前に進んでいくのも良かったです。

ピーターに対して思うところがあるから、というのは分かるのですが、記憶喪失だというのにマイクの態度は厳しすぎなんじゃないかと思いました。ピーターは過去、コールに心を囚われてきたわけですが、きっかけとなる描写がないので、なぜそこまで…というのがちょっとひっかかりました。とはいえ、全体には読みやすく、ピーターもマイクもまた素直に向き合うことができたのでよかったです。ハッピーエンド好きなので。細かいところでは、ピーターがロマンス小説好きという設定が面白いです。確かに男女関係ないのかもしれません。

アドリアンイングリッシュ、フェアゲームの作者。こちらは一冊にコンパクトにまとまったお話ですが、読み応え十分でミステリーとしても楽しむことができました。

人を魅了して惑わす人っているんですよね。いや、人の気持ちにつけ込んで操るのか上手い人っているをですよ。ピーターも自分の恋心で突っ走ってきちゃったから、引くに引けなかったのかも。マイクに出会えたのが本当に救いでした。

記憶を無くしたキュレーターが、自分を取り戻すお話。酷い仕打ちをたくさんされて、それでも助けてくれる友人たちがいて救われて、最終的にはハッピーエンドです。短めでサクッと読みやすいです。

☆4.5です。記憶を失ったというミステリーにドキドキし、恋愛にもドキドキしました。終わり方もいつものサクッと切って余韻を楽しむ感じでした。他のシリーズに比べると続きものではない分物足りなさもありました。

ＢＬとしてもミステリー小説としても大変面白く読みごたえがあります。モノクローム・ロマンス文庫のなかでもこの著者の作品が一番楽しめました。

アドリアン・イングリッシュシリーズを先に読んだせいか、二人の関係も焦らされる事無くこちらは割とあっさりと終わってしまった感じです。お話自体は面白く読ませて頂きました。