レビュー一覧

精神的に甘えたところのある受けが大好きでそういう話をたくさん読んでいますが、透也に対しては今作でついにはっきり「滝修行でもして精神を鍛えてほしい」と感じました。だってシリーズここまで3作ずーっと同じことで悩んでるんですよ。前々作、前作のラストで「よかったね！先生とお幸せに！」って思った私の気持ちは！一体！なんだったんだ！！と、吹っ切ったんじゃなかったの？！と、唖然呆然。穂高が紳士で優しくて愛情深くて良かったですね。今度こそ先生とお幸せに。お願いします。

グダグダと思い悩む受けに比して、攻めの深い愛情やスパダリ振りが際立っていたように思います。

暴君で言葉攻め、言ってわからないならカラダにわからせる小説家、穂高。カラダばかり従順で敏感になり、悪戯に翻弄される編集者の桜井……。ふたりの物語をずっと読んでいるし、シリーズ４作目だし「エロさも焦れったさも相変わらずだね(笑)。」と言いたくなるのかと思いきや！！シリーズ中でいちばん、心の深さ気持ちの強さをガツンとぶつけられた作品でした。彼らの、あまりの赤裸々な感情にこちらまで揺さぶられ、気付くと泣いていました。「羽化」「孵化」を読んでいないけれどその切なさと素晴らしさも、心から伝わってきました。少しでもその作品を読んだなら、間違いなく、小説家・穂高櫂の熱烈なファンになるでしょう。