レビュー一覧

分冊版から追っかけていましたが、最終話にかなりの物足りなさを感じたので、単巻の発売（つまり描き下ろし＝その後の2人）を心待ちにしていました。残念ながら、物足りなさは解消されませんでした。最大の原因は、響と尚人の後日談が、原作者さんによる「書き下ろし小説」として掲載されていること。これこそ、ymzさんの手で描いて欲しかった。ちなみに、ymzさんの描き下ろし（3ページ）に響は登場しません。原作者さんの絵コンテが巻末の5ページで紹介されていますが、うーん、私的には全く不必要。その上、意味不明なお値段の高さ。ymzさんが大好きなだけに失望感に打ちひしがれております。星4つが精一杯。

頼れる年上の恋人と真っすぐな年下の客の間で揺れる30歳。恋愛面はもちろん見どころですけど、世界が一変したこのご時世で多くの人が感じたであろう価値観の変化やそれに伴う関係性の変化がうまく織り込まれていて、納得したりドキッとしたり。だいぶ共感しながら読みました。またymzさんの作風にもよく合っていて、これは漫画になってるからこその良さだなぁと思うところが多かったです。

凄く良かった！この2年が走馬燈の様に思い出されてちょっと泣きそうになった。あんな目に見えないヤツに引っ掻き回された世界。誰しもが心折れそうになったり逆に逞しくなったり…そんな状況でも恋は生まれる！オーナーの征司も悪い人ではないんだけど、響の心が揺れて少しづつゆっくりと尚人に傾いてゆく感じがブルーモーメントの夕暮れと夜の間の青が輝く僅かな時間と重なっている様な気がします。コロナ前の様に戻れるかわからないけど二人のその先も見てみたいです。

コロナ禍を背景に，響の心の揺れ動きがうまく表現されていたと思う。ただ，最後，そっちにいくのかぁという決定打に少しばかり説得力が薄い気がした。電話でのやり取りがそれだったのかな。征司さんってさーしんどくてもしんどいといえない，甘えるってどういうことなのかが分からない人なのよ。私自身が割と征司さんと似たような性格で彼目線で読んでいたから，なんかもう彼の不器用さと臆病さに泪が…。響のおいしい料理に癒されていたんだよ~~。コロナというeventが起こらなければ，それぞれの関係は何も変わらなく穏やかに過ぎていただろうと思われる。逆に言うと，コロナというeventが数ミリにも満たない行き違いを浮き彫りにさせてしまった。響，本当にそれでよかったの？と少々疑問が残りました。ご時世ゆえの結末になんか悶々とする…。征司さんが大人すぎる対応（不器用さと臆病さね）に出来すぎ感も…。あと，内容紹介に，征司さんを愛人としているのはどうなの？彼は幸せになるべき人なので，いいお話書いてあげてください!! はぁ，脇役にこんなに肩入れしたのは初めてだわ・

コロナの一番政府が右往左往してた時の物語で、怒りや不安の中で生きてきた世界が描かれています。コロナって何故か、ただのウィルスなのにコロナに対して陰謀論やらなんやらで素直な感情を吐き出せないような気がしてて、好きな人とマスクなしで話したいし、自粛してあわないようにしたい。でも自分が誰かをうつすかもって不安があってできない。そんな気持ちを持った主人公たちですごく共感しました。早く気持ち良く旅行もしたいって思いました。コロナの世界を描いた作品の中で一番だと思います。わたしは一穂ミチさんのことが好きだー！！！って思いました。

ラブストーリーテラー一穂ミチさん原作の漫画ということで新鮮な気持ちで読みました。この2年あまり、漫画やドラマや映画を観ていて、コロナなんてない前提のマスクをしない登場人物に少し違和感がありました。実際の生活や恋愛はそれとは切って離せないものなのに、キスは濃厚接触で、お互いうつす可能性もゼロじゃない中で恋愛をはじめなきゃいけないのが当たり前なのに、ドラマではなかったことになってる。今から恋愛する若い人にとってはそれってファンタジーの世界だよね、と物語にリアル感が感じられないだろうなと。もう友達や実家ともなんとかして会いたいとか思わなくなって、もうこの世界が終わったら何がしたかったのか忘れてしまったというのは思い当たる。一番一緒にいたい人、会いたい人を言い方は悪いけど厳選している。LINEに何千人もいて毎日誰かとごはん食べるとかいう芸能人いたけど、そういう人は誰を選んだんだろう。肝心のラブストーリーですが、どっちの男がいい男かというのではなく、この今の世界で、主人公が会いたい方を選んだということで、これは共感できるか人によると思う。私もスピンオフで幸せにしてあげたい派笑。薬ができてこの世界がほぼ終わっても、価値観が合う人を探すくせがついて、これから伴侶を探す人にはいいかもしれないと思いました。

そうなの？。。私はてっきりそのまま行くと思ったー。何だ。。そっか。征司さん大人でめちゃいい人だし、征司さんの幸せも見届けたいかな。

夜中なのに、明日も早いのに、と自分に言い聞かせながら、つい読み返してしまいました。それくらい作品に引き込まれました。世の中、まだコロナウイルスに左右されていますが、二人の関係が穏やかに続いていって欲しいです。

原作と作画が非常にマッチしてる作品でした。昨今のＢＬ漫画はエッチ描写重視に傾倒している中で「物語」としての充実度がかなり高かったです。自分的にはＢＬの本質はコッチだろう、とも考えるわけです。また、当時のパンデミックの社会状況をそのまんまテーマにしていて、キャラも常時マスク姿なのがとてもリアルに感じれました。久々に良質なＢＬを拝めた感じです。ただ、三角関係の結果についてはやるせなさと寂しさを感じました。しかし、それは巻末のオマケ漫画で少し解消されました。★5はオマケ漫画あってこそです。

単行本になるの楽しみにしていました。単話でも購入していましたが、まとまって読めるのも最高です。一穂先生の空気感が漫画から伝わってきて、作画担当がymz先生でよかったなと思います。一穂先生の日常の切り取り方や、ほんのり寂しさを感じるところが大好きです。2人のえっちシーンとかはなかったけど、それでも大満足です！！イエスノーのコミカライズより、断然こちらの方がいいです。ymz先生の偉大さを感じます。最後に一穂先生のSSや、絵コンテを拝めて感無量でした！