レビュー一覧

BL作品と言うよりは耽美作品です。丸々1冊表題作です。最初の2編は1998年初出ですが、残り12編は2005年〜2008年初出の作品です。もう15年前の作品ですので勿論絵は古臭いです。そして、ストーリーはいつもどこかに影のあるような暗い話で多分作者の作風だと思うんですが、独特の雰囲気を持っていてただ単に暗いだけの話ではないんです。完読後は読了感があるとか満足感があるとかそんな感想じゃなく、耽美の時代を感じられる内容だな〜といった感じでした。面白くないわけではないんですが、面白いとも言えない不思議な作品でした。なんだか感想が例えばかりでふわっとしていますが、あまり言葉を知らなく説明下手で申し訳ないです。48時間チケ2ですが、評価は★3つです。

家庭に問題を抱えるあお。少しずつ感情が戻って来ても、ゆいちとのほんの僅かな別れが、些細な言葉があおを心を閉ざした頃に戻してしまう。最後のシーン、あおがどこへ行ってしまうのか。引きずるものが何もない後ろ姿は切なさより、純然すぎるが故の迂闊さ、恐怖を覚えた作品。誰が不幸になったわけでもない。あおにとってはふりだしに戻っただけかもしれない。けれど、読者にとっては間違いなくバッドエンド。久しぶりの後味の悪さです。

あおの混沌とした心の内の描写がすごく巧妙でよかった！おすすめ！

仄暗い作品。こーゆー感じ懐かしい。昔好きだったんですけど、今読むともう、感性が狭くなってしまったのか、浸れません。雰囲気を楽しむだけなら良いと思います。

シリアスなお話。ストーリーもエロもしっかりあります。

昨今のBLじゃとんと見かけることのない、アングラ的な耽美とダークさ溢れる作品。終わりの見えないエンドと“あお”というキャラクターの限りなく空虚な生き様がまさにサブカル的。絵が古く読みづらいかもしれないが、こういう時代の暗部に触れる感じが好きな人にはたまらないと思う。

人形のようなあお。見た目もそうだし、感情が何も動かないところも。家族の愛を知らない、だから誰かを愛することも、自分を大事にすることも知らないあおは、これからどう世界を彷徨っていくのか…

なんだかなぁ。切なくなる作品。この作者さん、こういうトーンの作品お上手ですよね。主人公が、たくましいのが救い。

これ、２回読んでみてやっと理解出来ました。最初の２話は、高校生になったあおのことで、そのあとからの話は、高校受験前なんですね。相変わらずフラフラして、最後にはユイチに戻っちゃうっていう。でも、そこには愛とか無いんだ。だからまた、フラフラ。一度最後まで読んでまたすぐ最初にもどったら話が理解出来ました。終始不思議な感じ。フジヲは、一応ハッピーエンドかな。千代だけが、まともな人間であとはみんなオカシイ。勝手に解釈して、納得するという初めてのBL本でした。