レビュー一覧

個人的にすごくすごく好きな作品です。スケート界の落ちこぼれと伝説のバレーダンサーのボーイミーツボーイ。無料連載の頃より追わせて頂いておりましたが、単行本が出たと聞き購入を即決しました。以下全て※個人の感想ですと注釈がつくのですが、少しでもご購入の後押しになりますようにと祈りながらしたためます。コマ割りや言葉の言い回し、お話のテンポがやや独特に思えますが、そのおかげもあってか作品の雰囲気や空気感がよく伝わってくるように思えました。人によっては所々「？」となる場面もありそうですが、考えずに感じるものとお思いくだされば万事上手くいくと思います。端的に申し上げるととても引き込まれます。具体的に述べてしまうとネタバレになり兼ねませんが、重たい題材を作中でいくつか取り扱っているにも関わらず、スラスラと読めました。一コマ一コマがとても繊細に、綺麗に描き込まれていたことにも助けられたのだと思います。フィギュアの専門用語等が極頻繁に出現しますが、注釈が入っていたりして、個人的には物語を楽しむのに全く障りはありませんでした。そして私事で大変申し訳ないのですが名雪いばらのキャラクター性がとても好きでして！　作中での曖昧な笑みや、頻繁に下がっている眉がとても可愛らしかったです。もっと可愛らしいシーンはたくさんあるのですが長くなるため割愛します。ヴァシリーやオーリャといった他のキャラクター達の人柄も大変気持ちが良く、キャラクターへの好感から入りがちな私としては嬉しい限りです。少しずつ変わっていく名雪いばらと周囲の人間との距離を見守ることができて幸せでした。（二巻書き下ろしでボソッと出てくる「〇〇〇〇〇の法則」で「？」となった方はぜひ一度概要をお調べになることをオススメしたいです。とてもハイセンスなギャグです。）以前の連載から何度も読み返させて頂いておりましたが、初めて読んだ時の気持ちを大切にしたい作品です。作者様は物語の本来のエンディングまで描くことができず心残りと仰っていますが、いつか機会があれば作者様の仰るその「本来のエンディング」を読むことができたら、と切に願っています。

え、上下巻で終わり？？すごくすごく良かった…面白かった!!続きが読みたい（ ; ; ）

フィギュアスケーター選手とそのコーチのお話ですが、他の作家さんのように試合や練習中心の描写よりも、二人の心情がメインに描かれています。絵柄もきれいだし惹かれ合う二人の様子や過去も丁寧に描かれていているのに、作家さんご自身が後書きに書かれてるようにさぁこれから、というところで終わっていてちょっと残念です。

幼少期のトラウマを抱えた主人公が同じように過去を苦悩するバレエダンサーと出会って成長していく話。少しずつ心を開いて、主人公が殻を一つ破ったところで終わります。起承転結の起承くらいで終わるので少し残念です。途中打ち切りになったんでしょうか。けして駄作ではないのに不完全燃焼感がありました。全10巻くらいの話になれば満足度も違ったと思いますが、このご時世だと難しいんでしょうね。

フィギュアスケーターと新しい振付師…スケートの特訓やレベルアップの話と思いきや、むしろオフアイスで対話する時間の方がメイン。本質的には会話劇。二人の背景をとても丁寧に、深く掘り下げていて、白熱するセリフの応酬にぐいぐい惹きつけられました。でも、そんな風に愛着が湧いて話がさあこれから、という所で綺麗にエンド。勿体ない。うーん、作者さまが描きたかった「本来のエンディング」が見たいなぁ…ぜひぜひ続編として描いてください。ちょっとクセがありますが、画面全体からパワーを感じる絵もとても好きです。あと、蛇足情報として、私はこれを某書店(全国展開)のBL新刊コーナーで見かけ、衝動買いしました。当然これはBLだと思って読み、あれっ？となるハメに。ブロマンス要素に萌えたのでいいんですけどね…いつラブが生まれるのかジリジリせず読めた２回目の充実感よ(笑) ま、面白かったので後悔なし。

これからという時に終わってしまっていて、ちょっと勿体無い気はします。ただとても絵が綺麗だし、2人の関係がゆっくりと近づいていく所や、親や過去の出来事のエピソードひとつひとつが納得できるもので、丁寧に描かれていました。アニメになったらスケートのシーンで本当に動いているのを見ることができて、ざぞ素敵だろうなあと妄想してしまいました。漫画でも十分素敵なのですが。本当に続きが読んでみたいです。

青少年の成長と愛の物語。……という印象を受けました。人としての情緒とか愛とか、そういうのが歪だったこどもが成長していく話というか。場面転換が少しわかりづらかったなぁと感じましたが、話の内容、絵の綺麗さ・丁寧さがあるから個人的にはそこまでマイナス要素になりませんでした。人が成長する話が好きなら買って損はないのかなと。ただ、正直にいえば、これは電子じゃなくて紙で読むべき作品だと思いましたので、家に本を置くスペースがある方に関しては紙媒体をおすすめしたいです。

BLの「ひとりよがりのバニラ」から来ました。線が細いのに躍動感があり，最後の方は，スケーティングしている鼓動みたいなものが伝わってきて，ほれぼれしました。お互いが（多分コーチの方もきっかけをさがしていた）精神的に成長して未来へ歩みだす一歩手前で終わるので，読者としてはもどかしいところです。皆さんおしゃるように本当のエンディングを読みたいですが，いわゆるBL展開になるのなら，信頼関係のブロマンス展開のここで終わっても良いかとも思いました。両方とも親をあんな設定にしないといけないところが，物語構成上仕方がないにしろ，嫌なところです。親も完璧な人間じゃないからね。愚かさと同居する不完全な親が子に示す情愛や思慮深さも描いてほしいなぁ。書下ろしに少し補充されててちょっと安堵。

え、ここで終わりなのってとこで終わり。設定YOIとかぶりすぎ。場面飛びすぎてページ飛ばしたって思う。なにより、人の母親を冷静に分析できるのに、自分は無理なのね。あなたの母は小さい子を失明するほどの暴力から守らなかった父と同じ加害者なんだけどとしか思えなくて、見せ場の告白についていけなかった。絵柄は好きなんだけどなあ、、。

本当の最後まで描いて欲しかった。残念です。話はとても繊細で、好きです。