レビュー一覧

この方の作品はいつも絶妙に気持ち悪くて大好きです。天才です。

　｢ストップ！ひばりくん｣を、懐かしみつつ、読ませてもらいました。

試し読みから購入して一気読みしてしまいました。続きが待ち遠しい。

押見修造の漫画の何が好きってずっと作者自身が自己分析しながら物語が進んでるところなんですよね、「意味わからんな」と思ってるときは作者自身も自分が分かんないと思う感情をぶつけてるんだろうなと思うし、この「おかえりアリス」はあとがき必読です。私の求めるオールジェンダーはここにあるのかもしれないと思える作品。

作者が「性欲を感じない」トラウマを抱えていた所為か残酷なくらい、ぐいぐい入り込まされる。「男を下りた」幼馴染の彼（今は彼女？）は一体何を求めているのか。血の轍の作者なだけに、大どんでん返しが来ると期待して次を待ってます。

登場人物の誰かに感情移入できたり、性欲を気持ち悪いと思ったことがあるならばきっと惹き込まれるのかもしれない。作者さんの言いたいことは分からなくもない気がするけど、結局自分はよく分からない深夜ドラマを見てる気分でした。男の子時代の彗ちゃん可愛いなあとしか思えなくて、全員何がしたいのか分からなかったので大人しくBL読みます。

この人の作品は、最後の最後でいつも意味がわからなくなり、打ち切りのように感じます。

買って、最後まで読んだけど、買わなくてもよかったなと思った。男女の区別を超えた人付き合いや友情について描かれているのかと思ったけど、そうでもなかったし、特に共感できるところもなかった。

"性欲"を男性と女性で分けた時、「男ってこうだよね。」と書かれた媒体も、それに踊らされる自分も、本意ではない。自分を好きになるために、異性(少女)の格好をして性行為をする。性現象として勃起はするけど、それは男性としての性欲というより、人間の本能に近い。純粋な性欲があって、それは男女間の偏りではなくて、人間的な美しさに惹かれたから。その先に辿り着きたいと思っているのが、精神的な美しさ。。。。なのかしら？個を愛そうよ。という大テーマはわかるんですが、何故その手段が少女なのか。結局、人間は男と女に分かれるってところからのスタートなので、作者の意図がぼやけてしまう。最後はエヴァンゲリオンのアニメ版を連想しました。

押見修造節が炸裂してる。「思春期」「性」を芸術的なまでに表現できる稀有な作家。でも思春期真っ只中の若い人が読むと性癖歪む危険性があるので注意。