レビュー一覧

作者さんのことが色々な理由で気になり、レンタであったので借りてみました…。初めての単行本とのことですが、非常に素晴らしい出来だと思います！絵も美しい…。ラストは気になりつつも、まるく収まっています。本当に艶やかな人物絵で、江戸時代ものなのにストーリーも当時のことも丁寧に描かれていて、面白くて。もっともっとこの作者さんの作品が読んでみたい…！ですが、おカラダも大切にして欲しい。まだまだ元気でいて欲しいと思います。そんな作者さんへの想いも込めての、コメントです。

作者さんご自身が大腸癌末期と診断を受けて、連載を昨日開始されたそうで、その闘病記？（ご本人はウサギ姿）を試し読みをして、BLも描かれていると知り、読む事にしました。はじめは、人外モノが個人的に元々大好きという訳ではないので、少し残念に思いつつ読み始めたのですが、作者さんが江戸の文化史にお詳しいのがあちこちから伝わってくるなんというか、重厚さがある、土の匂いすらしてくるような作品です。ストーリーに好き嫌いは分かれそうですが、派手さはないものの予想しない展開に、心を動かされ、好感を持ちました。同人活動を沢山されて、商業BLは初という事のようです。絵がとてもお上手で、キャラクターがとても美しいです。もっとこの方の作品が読みたいです。

体の関係が主で進んでいくお話です。攻めの振り向いてもらえない葛藤みたいなところはきゅんときましたし、受けがなかなか好きな人を忘れられず‥と一方通行な片想いが好物なわたしにはそのじれったさは良かったです。でも、結局そのまま終わっちゃった‥やっぱり終わりはすっきりくっついて、いちゃらぶを見て終わりたかったなぁと思いました。

まさに、作者渾身のデビュー作。江戸時代の文化風俗に関する作者の造詣の深さが反映され、角の描き忘れと思しきコマも見て見ぬ振りできる素晴らしさです。ともに「捨て子」という境遇、その中では恵まれ薬師になった能之と、陰間としては恵まれていた紫苑。主たるモチーフは名前と瘤。話の本筋は、彼らに名を付け(人の世に「存在」させる行為)、命を与えた旦那様を挟んで、変化していくふたりの関係性にあります。紫苑にできた瘤(角)の意味するところは、序盤の台詞に点々と示唆されており、疑問の余地なく読める仕様なのに、さらなる読み解きも可能という奥深い作品。能をはじめとする古典芸能好きなら、より面白きこと請け合いです。

ひるなま先生が亡くなったと知り購入させて頂きました。絵がすごく綺麗だし 内容も良かったです♡本当に残念で仕方ないです…ご冥福をお祈り致します。

イラストはとても綺麗でした。陰間の少年の体にある異変が起きるのですが。。。最初はファンタジーか？と思いましたが、終盤でその意味が繋がり、ちゃんと恋愛物で収まるところに収まりましたね。最後のリピートする感じの終わり方が面白いと思いました。

画が美しく、庶民文化史への愛に溢れた作品でした。習字アートのような文字も、紫苑の艶をよく表していると思います。紫苑の額に現れたもののみならず、のしさんの純朴さが、紫苑への思いによって変化していく中にも、人間の内に秘めた業が詰め込まれ、それを象徴的に角として表されていました。

美しいお話でした。ストーリーも大好物です。もっともっと読みたかった。悔しいです。ありがとうございました。

作者様の闘病漫画を見たのがきっかけで読みました。とても絵が綺麗で、ストーリーも時代感にピタリと合って違和感なく読めました。何度も読み返したくなるストーリーです。他の作品も読んでみたいです。

評価に悩む本でした。人の欲や情が渦巻く和物なんて大好物だし、絵もピカ一ときたら迷いなく星5なんですが、なぜだろう。。紫苑くん、一途で自分に正直な子だと思いますが、溺愛するのしさんとの組み合わせが好みでないのか、のしさんが良い漢すぎるのか、あまり萌えを感じませんでした。あとがきに作者さんのお人柄が出ていて面白かったです。