レビュー一覧

ドンッとぶつかって始まるロマンスです。ヤッホイ!やっぱり基本に忠実なのはいいですね。初めはイライラしたヒーローだなと思ってましたが、段々いい感じになってよかった。ヒロインは健気でいろいろがんばってました。

冷静だけど結局ヒーローの思い通りなのでした。親孝行娘のヒロインは器量は良くないけど素直な優しい女性。しかしヒロインは最初から最後まで流行遅れの実用的な衣服でした。いくら毛皮の帽子とマフラーがあっても悲惨。

ポリオに感染した妹の看護と引き換えに父親の両足の手術とそれにかかる一切の費用を負担する。という交換条件を持ちかけられ、父親の両足を治療する為に費用を工面していたヒロインは断れきれず受け入れます。こんな感じで二人の関係が始まったので傲慢ヒーローかと想像しましたが、思いやりがあって(気遣いは少々足りないかもしれませんが)一緒にいても楽しい人だろうと思います。ヒロインも23歳にしては落ち着いていて良識がある人で好感が持てました。プロポーズが突然だったので驚きましたが、ヒーローが約束を果たした以上、一分一秒も待てないほどヒロインと結婚したかったのだと思ったらヒロインへの深い愛を感じ幸せな気持ちになりました。

ヒロインはヒーローの妹を看護するためにオランダのヒーロー宅に行きます。同著者の「魅惑のドクター」に出てくるような悪女の再来かとハラハラしましたが、思いのほか良い妹でした。ヒロインのお父さんの脚の手術など諸問題を全て解決してから、ヒロインに愛の告白するヒーローにじれったいながらも好感を持ちました。ベティの作品に出てくるヒーローは妻に専業主婦になってほしがる傾向がありますが、今回についてはヒロインが結婚をしても学業を続けられそうで、それも良かったです。

ヒロインが大人で、辛抱強い女性です。クリスマスシーズンのほっこりした空気がよく出ている作品だと思いました。