レビュー一覧

完結のご祝儀。作者様の『「インディゴの気分」でやりきった感があった』の言葉のとおり、ポルノグラファーからインディゴの気分のあの勢いは本作にはなかったかもしれません。でもラストストーリーとしてはとても良かった。秘密主義で嘘つきの仮面をかぶり、その実誰よりも人とのつながりを求めていた木島が、失うことを恐れながらも自分から手を伸ばしそれを掴み取ることができたのですもんね。彼がどれだけこの繋がりを欲していたかを思うと胸がいっぱいです。いろんな嘘をついてきた彼が「追伸」で見せた嘘は沁みるものがあり、さすがだなと頭が下がります。ポルノグラファー読んだときはまさかこんな結末になるとは思いもしませんでした。作者様に感謝。ちなみに、今回口述筆記を依頼した青年「静雄」って、あの「アケミちゃん」の静雄でしたね！春子と静雄がかなり重要人物になってますが、あちら未読でも別作品として問題なく読めます。

正直ポルノグラファーを読んだ当時は、ふーんなんだか不完全燃焼だな、と思っていました。インディゴの気分と合わせてこちらを読み、なんだこの話は？！？！と衝撃を受けています。純文学じゃん!!!!!!!噛み締めるタイプのBLの中で私史上ですが三本指に入りました……しかし、まあちょっと読む人を選ぶかもしれない。エロを求めてはいけない。たしかにエロいけどエロの中では純文学系なの。わかりますか……ドラマ化した際にまじかよと思いましたが、ここまで来たらぜひ全編通して映画にして欲しい、映画になりうる作品では？と思います。

わー、素敵。この巻が一番好きだなぁ。人間くさくて人間愛を凄く感じる。一生哲学。良いなぁ。

うーん。正直この巻は蛇足な気がします。前作2作はすごく好きでしたが、その後のドラマ化などがあってこれは便乗で描かされた感があります。木島さんの嫌な部分が目立って久住くんが気の毒なくらいでしたし、アケミちゃんの登場人物が出てきてしてしまうのも好きではありませんでした。アケミちゃんのお母さんはいい味出していましたけど。ラストもハッピーエンドなはずなのにどこか孤独感があって、それは創作の辛さということに繋がるのでしょうが、なんだか久住くんが切なかったです。丸木戸先生はよく練られた完成度の高い作品を作られるので、ブームに乗ってもう一作描いときましょうみたいなことはしない方がいいです。

『ポルノ〜』既読で『インディゴ〜』は未読。続編ということでついポチってしまったけど後悔。湿度が高い感じも面倒くさいキャラも、一作目だけで十分というか。食傷気味になってしまった。とりあえず好みの問題が大きいと思うので★3で。

前作が良かったので、期待しすぎました。思った以上に木島先生が、めんどくさいやつで楽しくなかった。まずもって嘘つきなのが好きになれない。小さな嘘をつくというより、息を吐くようにスラスラと嘘をはく。二巻になってもまだ、自分の気持ちと向き合わないのもいい加減ゲンナリしてしまった。嘘は相手のことを思うがためにつくもの。自分の都合のためにつく嘘は嫌いです。

BLなのですが、キュンとか萌がありません。そして、まさかのあけみちゃん…。ついつい借りてしまいましたが、人間ドラマとしてはおもしろいけれど、BLとしては楽しめませんでした。辛口でごめんなさい。

久住君の一生懸命なところが好きです。なので、木島が城戸をキープとして心の最後の拠り所にしているのが、悲しかった。

私は、三部作とうして大好きです。全て読み終えて、とてもリアル、かつドラマチックな部分もあり、キャラクター全てに愛着を強く感じます。この作品は特に他者を愛して生きるという、とてつもない面倒な事を、愛せる素敵な漫画です。

すごい良い。良かったです。読み終わってしまって少し寂しい。木島は不思議な魅力の持ち主と思っていましたが、弱くて優しくて普通の人でもあるのだと思いました。また改めて1作目から読み直したい気持ちです。