レビュー一覧

短編集ですが、全て非常に完成された世界が描かれています。怪異、民俗、人間の業の深さ。何もかもが凝縮された世界観を、見事言う他ない程に表現し、何度読み返しても衝撃と、何とも言えないずしりとした後読感があります。言葉に表すことの難しい世界観を、くまなく表した漫画の域を越えた作品だと思います。

所々描写がグロテスクに感じるものもあるので、読者を選ぶ漫画かもしれない。映画のリトル・フォレストの原作の人だ！ということで読んでみました。少し不思議な話が好きな人ならファンになると思います。読んだそばから読み返したくなる感じです。

短編なので読みやすいです。作者の世界観にどっぷり浸れますが、ちょっとグロい部分もあり、救いようもない結末もあり、でも編集される前の日本昔話みたいで面白いです。

明、暗、生、死。魂=命=想い。その強さ美しさ、時には怖さ。…こういってもうまく表現できない。文字通り全霊が絵に打ち込まれている。憑依霊との戦い、閉じた森、淵の底の霊ども、佐保姫の交合…どれもこれも美しい。色付きで見たい。

作者さんらしい短編が多くやはり長いものを読みたい気持ちはありましたがお話の数が多いのもまた良いかな、、と。表現はちょっとグロいのですが それでも不思議な世界に引き込まれます