レビュー一覧

他の方たちも仰っているように前作で主人公カップルの仲を裂いていた女性がヒロインです。この作品、ヒーローの言動が後半で本人も認めている通り酷いのですが、先祖の話の顛末といい、貴族社会の面倒さはまずまずよく書かれていたかな、という印象です。ヒロイン母も前作では単純な悪役に書かれていましたが、今作では彼女の言動も、彼女自身のそれまでの人生の帰結だというのが判る書き方になっているのが良かったです。なお今作に出てくるヒーロー婚約者フランチェスカと、前作と今作で言及されていた実業家ニック・ファルコーネは、"Heiress's Pregnancy Scandal”での主人公カップルです。今のところ未邦訳のようですが、こちらの邦訳も近い内にやってほしいです。

ヒーロのお家に伝わる3枚の肖像画、それはヒーローの先祖である当主と、その愛されない妻、そして愛されている愛人のものでした。三人のもつれた関係画繰り返されようとしている事に気づくヒロイン。愛されない妻になるのも、愛されている愛人になるのもまっぴらごめん、というヒロインが素敵です。そして、間違った事もするけど、間違ってたって認めるあんまりいないタイプのヒロインです。ドラマチックな作品がお好きな方に、彼女が悪役をやっている『億万長者と愛の形見』と合わせておすすめです。

億万長者と愛の形見に出でくる悪役の女性がヒロインという驚きのお話。何故結婚する気がさらさらなかった彼女がヴィトと無理やり結婚しようとしたのかよくわかりました。それにしても伯爵家って大変なのね。ヒーローの苦悩が世代を超えて胸に迫ってきました。最後エロイーズと復縁したヴィトとの大円団を読みたかったです。ページが足りなかったのかな？