レビュー一覧

道徳的には、ひどい話です。不義の子を夫に育てさせました。幸いなことは、夫や周囲の人に隠し通し、夫が娘と素晴らしい関係を気づきお互いに多くを与えあったことです。こういうことは、隠し通すべきでしょう。ひどいこととはいえ、愛し合いながら別れ、遠くに離れた人がいたら、そしてとうとうその人を諦めて他の人と結婚するとしたら、そして偶然その昔の恋人に再会したら、最後にもう一度触れたいと思うことは、そんなにおかしなことではないと思います。そして、生理が1週間遅れていると気づいたその1週間後が結婚式なら、どうしていいかわからないままに結婚してしまうのも、褒められたことではないけれど、不自然なことではないと思います。寧ろリアリティがあって良いです。それでもやっぱりすっきりとハッピーエンドと感じられないのは、夫の死なくしてはあり得ないハッピーエンドだからでしょうか。現実なら、なるべくしてそうなったと思えるかもしれませんが、フィクションの世界でこれだと、2人の再会のために健康だった夫が死ぬことにされる訳で、そこがどうにもマイナスです。他には、ヒロインが、過去においても現在においても、愛してないとか、あなたは必要ないとか思っていないことをいって自分の首を絞めることは大きくマイナスです。不毛な嘘や虚勢には、共感不能で大きくマイナス。また、ベッドの場面はワクワさせるようなものではないのも残念でした。ヒーローがヒロインについて感じていることがもっと書かれていたら、違った気がします。