レビュー一覧

雪花の章のつづきで、これで完結です。わかりにくいとおっしゃる方が多いかなあと思ったので、わたしの理解できた範囲でちょこっと。これは、陰陽師界のエリート賀茂保憲＆賀茂家にひろわれた安倍晴明（藤原組）VS道満×スイ（帝組）のお話です。ときの権力者の藤原さんに「東宮やっちまえよ。やらなきゃ、お前の大事な賀茂家つぶすぞ」とおどされた晴明が、いやいやながら呪いはじめると、道満が邪魔してきました。（確か、ここまでが過去の流れ）。その後が、この玻璃の花。まだまだ東宮が死なないので困った晴明は、東宮の奥様その１が「呪いたい」と言ってきたのを利用することに。道満が邪魔してくる気配があったので、そこから辿って、東宮の弟スイのほうをやっちまおうというのです。晴明はスイの意識の中に入って、道満にバケて、スイ自身の手で本物の道満を傷つけさせました。ショックでスイは、もうダメって状態に。だけど、どうして、そこまでショックを受けたのか。彼らがどれほど想いあってきたのか。語られるのが紅蓮の章です。かつてスイは、拾った子供（道満）をまもるため手離しました。でも、スイをしたって道満は離れず、スイも忘れられず苦しみます。そうして二人は、いきおいで高野から逃げたことがありました。でも追撃が激しく、弱っていく道満を見ていられなくなったスイが屈し、また高野へ戻ることに。そのときに、スイの記憶は封じられてしまったのです。それが雪花の章で戻ったわけですが、もうスイは自分とまわりと、こんな時代に対する憎しみ恨みでいっぱいです。復讐の鬼です。晴明は「東宮もメンドクサイ藤原もやっちまえ」と眺めていますが……で、ラスト。道満の師匠、道摩法師の教えがいきた、よい最後でした。うん。愛って尊いですね。ここまで溜め込んできた色気もすごい。見つめ合っただけで果てそうだなって感じでした。ご参考になるとよろしいのですが。間違ってたら申し訳ありません。…………というレビューを先日書いたあと、この『玻璃の花』の動きがよければ百薔薇の再開につながるかも（HPより）と知って、あわててこちらでも購入（紙をもっている）しました。で、レビューも追記しました。百薔薇が読めますように。

ふーぅ。……長い、とても長い映画を見ていた、というか、夢を見ていたような、そんな気分です。「都」と「帝」、それを取り巻く「人」の業（ゴウ）に振り回され、引き裂かれた二人が、数少ない理解者達に支えられ、お互いを求める純粋な愛情のみを頼りにたどり着き、全ての呪いから解き放たれて、二人のただ「共に在りたい」というたったそれだけの、でも、強くて、確かな望みをかなえることが出来た……。壮大なラブストーリーが、やっとハッピーエンドという形で幕を下ろしたなぁっていう感じです。美しくて、儚い、オドロオドロしい平安の世界の中で実際に有ったかもしれない、イツとスイ、道満と瑞慧の幸せが、いつまでも穏やかに、静かに続けばいいと思いました。美しい絵・作風と、しっかりした設定、作品の世界観の奥深さ。ボーイズラブの枠を越えた名作だと思います。この作品に出会えてよかったです。

構成力、画力、表現ともに文句なしです。呪詛の表現力に圧倒されました。よい意味で、BLを読んでいる感覚があまりなかったです。ふたりが呪い等から解放されるまでが描かれているので、解放された後のふたりの生活をもっと読みたかったなぁとは思いましたが、そこは、おまけ2Pで少し足してくれています。晴明側の目線で読めば、もっと深く読めそうです。晴明サイドの本は絶版になっているそうなので、どうにか電子化して頂けないかと期待します。

いやぁ、稲荷屋センセの平安絵巻、久しぶりに堪能!それぞれの運命と愛、高貴な生まれ故の悲劇、鬼と呪い…。スゴく良かったのですが、もう少し、愛がみたい。エロがみたい。なので、書き下ろしは嬉しかった〜！文句なく星五つです！

ほんとにねー、この方の作品は最初は絵の緻密さにページをめくって、二回目は二人の愛の深さを知って、三回目で物語にようやく溶け込めますね。何度も読み返してしまうし、その度に深みが増します。

呪詛に関連したものなので、暗い要素がありますが、ハッピーエンドなので、救われます。その経過が重いものであればあるほど、二人の絆が強いものに感じられますが、この作品はその最たるものではないでしょうか。前半は場面も途切れ途切れでわかりにくいかもしれませんが、後半になるにつれ点と点が繋がり、ストーリーが線になってバシッとはまり全貌が見えたとき、二人の絆の強さが見てとれます。この本を購入して、良かったです。苦しい経過から、最後の幸福な場面、本当に心に染みました。とても、おすすめです。

面白かったです。けど、二巻でまとめてしまっているせいでわからない部分もありました。4巻くらいの長さにしてほしかったです。

まさに圧巻の平安陰陽絵巻！稲荷家先生の画力は思わず3D…いや今はやりの4DXじゃないかと思うほどです。でも、根底には切ないまでの相手を思う愛があって、呪詛が解けて二人に幸せが訪れるように祈ってました。是非、絶版されている清明サイドの話も電子書化されますよう希望します

BLじゃなくてもいいような…。スケール・愛が大きい。もっとハピエン後の二人を見たかったです。

あまり読んだことのない類のBLでしたがレビューを見て思い切って購入したら大当たりでした！！スイの無償の愛情に泣きイツの一途な気持ちに泣きとにかく切なくて切なくてなんて辛い運命にあるのだろうかと思いながら読んでいましたが最後はハッピーエンドで終わりとってもよかったです。出会えてよかったです。この作品に