レビュー一覧

こちら、｢ギリシア富豪は仮面の花婿｣ のヒーロー弟のお話です。｢仮面の｣ から4年ほど経過しているようなので、｢仮面の｣ から読まれた方が、より楽しめるかと。それにしても人間って、百万遍説得されようが、優しい手を差し伸べられようが、本人が納得して決心できなければ、変わることなんて出来ないんだなあと、しみじみしました。双子兄と恩人がきっかけとなって再生できたヒーロー、自分がヒロイン再生の端緒となろうと、しゃかりき頑張ります。早い話、二冊合わせて、心を病んだ父を持った双子の少年の成長と再生とロマンス (二人が主人公で、ヒロインたちは調味料？) のお話です。こんなHQがあっても、よいのではと思います。悩み多き現代ですもの。

ヒロインは過去にあれこれと辛いことを抱えて頑張っているのですが、ちょっと卑屈すぎやしませんかね…という感じ。それをヒーローが叱咤しつつ温かく包み込みつつという物語。絵は文句なしに綺麗です。

なんだか分からないけど、不思議な空気感のある絵柄で、惹きこまれます。それに色気があって、大人のHQにぴったりの絵柄かもしれません。内容は、劣等感というテーマを丁寧に描いているのが良かったです。読後は勇気づけられた気分になりました。

弟編だぁ！　とちょっと喜んだけれども。内容はよくわかったけど、ストーリーをさらっと流された気がして、もうひとつ、でした。嫌いでないパターン。ヒロインもヒーローも愛に未熟でそれが分かったら本当に愛するという・・・！　というHQな展開ですが。もう少しヒーローには頑張って欲しかったし、ヒロインは怒ってもよかったような。気がするな？

　シリーズで読んでみたくて購入しましたが、今一つでした。　

エンゲージリングが出会った時のものと関係あるものなんてステキでしたね。ヒーロー双子兄の物語とあわせて読むと面白さ倍増デスね。

原作に比べると今作ヒーローの兄夫婦が終盤かなり出張っていて、彼らが主人公の作品『ギリシア富豪は仮面の花婿』とより関連付けられた内容になっています。おそらく山下先生が両方ともコミック化を担当することで2部作として描く方針になったのでしょう。それで原作より良くなったかどうかはよく判らないのですが、話として一貫性は出来たかな、とは思います。ただヒロイン妹に薬物関係の設定を入れたのは何でなのか疑問です。原作では大して出番がない彼女の出番を増やすのは良いのですがこれはなあ...。あとヒーローの元雇い主で『屋根裏の聖母』のヒーロー、ディミトリがおじさんを通り越しておじいさんキャラに描かれているのも何か嫌でした。確かに今作の原作では彼の年齢は書いていないけど、今は藤田和子先生によるコミック版の印象が強いだけに、今読み返すと複雑な気分になります。あと碧ゆかこ先生がコミック化された『砂に落ちた王女の涙』のヒーロー、ゲイブが出てきますが、何故コミック版では彼をカメラマンに改変したのでしょうか?

作家さんが好きで、48時間レンタルしました。サンプルを読んでボディーガードものが好きだったのと、過去に何があったか気になってレンタルしました。ハーレクインなので皆さん予想がつくかと思いますが、面白かったです。

ヒロインの父の傍若無人さと異母姉妹の金遣いの荒さに気づかずに、ずーっと利用されてたヒロインにイライラ。美男美女なんだし、独身同士なんだから、別に尻込みすることないのに。何かあると二人ともでもだってと言ってくるので、読んでる方はイライラです。兄の方のお話が良かったな。

原作の設定や展開を結構変えているんだなという印象。それによって関連作「ギリシア富豪は仮面の花婿」との関係性が高まったし、分かりやすい話の展開になったような気はしますけど、原作とは別もの感は残る。原作はもっと複雑な味があった。あと「屋根裏の聖母」ヒーローが今作ヒーローの過去に登場したことを後から知って、苦笑しました。まぁこの関係性は漫画家さんたちも気づいていなかった可能性はありますね。今作を「ギリシア富豪は仮面の花婿」の続編だと考えると評価3.5、単品で考えると評価3の読後感です。