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無料期間になっていたので読みました。昔の日本の漁師、漁村の文化がよく描写されているのだと思います。受賞作ということもそれを裏付けるでしょう。今となってはあまり馴染みのない漁村の言葉遣いや習慣、風俗について知ることのできる歴史資料的な読み方ができると思います。しかし、激しい男尊女卑の文化、女性を性的な所有物のようにみなす行為が繰返し描かれているので、読んでいて苦々しく、嫌な気分になりました。男性間のコミュニケーションも、非常に暴力的です。言うまでもないことですが、この作品に描かれている価値観は現代では通用しないでしょう。こういった暴力的な時代を経て、現在のように一定の秩序が保たれるようになったのだと思うと、改めて考えさせられるものがありました。

賛否は在るでしょうが、こういう世界があったのもまた事実と、鰹の町に住んでて思います。