OLの綾子は超派手な女。キャバ嬢に間違えられる上に、ナンパもされまくりで、彼氏らしき人はすぐにできるけどすぐに振られてしまう。その理由は、彼氏の前でメイクを落とせないからだ。綾子の素顔は、超地味顔なのだ。しかも、メイクを覚える前、空気並みだった高校時代の経験から、綾子は二十五歳にもなるのに処女だった。素顔を見せたら終わると思い込んでいる綾子は、誰に対しても自分が処女だとは言えずにいた。
そんなある日、本社から超イケメンのシステムエンジニア秋山が派遣され、綾子は狼狽する。なんと秋山は、綾子が高校時代に憧れていた先輩だったのだ。絶対に覚えていないだろうと思いつつも、秋山の前では緊張のあまりそっけなくしてしまう綾子。それでも昔と変わらない秋山の笑顔に惹かれていって――。
コンプレックスの塊になっている綾子の心を溶かすものは？

※こちらの作品にはイラストが収録されていません。

二十四才のわたしには、大学生のころから付き合っている恋人、トモキがいる。社会人になった今も、ほとんどの週末は互いの部屋で過ごし、体を重ね、翌日仕事ならば帰るという、すでにまったりとした関係だ。いつもトモキはやさしい。そしてちょっと不器用だ。いっしょにいるとすごく落ち着く。わたしはベッドでのトモキを焦れったいと思いつつも、大好きで、失いたくないと思っていた。
「……もうそろそろ五年目になるだろ。俺と一緒に住まね？」
いつものように週末を過ごしたトモキから、突然プロポーズされたわたし。すごく嬉しい。嬉しいけれど、わたしはすぐに頷くことが出来ない。だってわたしには、トモキにも言えない秘密があるのだ――。クローゼットの中に隠したわたしの物足りなさを補い続けていた「秘密」を捨てるか、それともトモキを失うか。どちらも欲しいと思うことはわがままなのか。すべてをさらけ出した先にあるものは？

※こちらの作品にはイラストが収録されていません。