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プロカメラマン青山の助手をしている三田綾子は、妻子ある男性との激しい恋の末に命を捨てた母親の葬儀を済ませ、三日ぶりに職場に復帰した。綾子は、モデルの菊子から見ても美しく、同僚でもうすぐ独立するカメラマン野中は綾子の事を愛していた。しかし、綾子は師匠であるカメラマンの青山を愛していて……。
イブ＝スコルピオ……ヨーロッパでも十本の指に入る実業家。自分の会社のマークを青いサソリに統一しているためにブルー・スコルピオと呼ばれるヨーロッパ中の憧れの人……。人は彼を、金儲けだけが生きがいの冷徹なサソリのような男と呼ぶ。その胸には、愛への情熱がもえたぎっているとも知らずに……。このお話は、パリでスコルピオと出会った3人の女性たちがスコルピオに愛されながら愛にまっすぐ生きていくことを描いた作品集です。
庭に火炎樹の樹を持つ家に住む支倉崇は浪人生。ある日、庭先に兄・諭のガールフレンドのひとり、仲根維が訪ねてくる。兄の大学の同好会の後輩である維は、諭に夢中らしい。その思い入れはちょっと異常なくらい強いもので、諭は次第に重荷に感じてしまう。一方、崇はいつのまにかそんな維に想いを寄せるようになっていて……。
母ひとり子ひとりで生活している山科望は、母からスターになるよう厳しく育てられ、貧しいにもかかわらずバレエや歌のレッスンに通っていた。ある日、体調を崩した母の看病のために押入れからタオルを取り出そうとして古い雑誌のスクラップを発見した望は、母がかつて女優で映画監督の夏目誠士と恋仲で会った事を知り……。
ポッポこと晴山鳩子はママの糸子と母子二人暮らし。ママはアパートしあわせ荘の管理人。しあわせ荘には売れない漫画家の水沢さんとポッポの同級生のさくら、浪人生の隼人さん、シングルマザーのみどりさんが住んでいる。ある日、怪しげな二人組が政府を名乗り、しあわせ荘に立ち退きを迫りにやって来て…！？
今から3550年前――古代エジプトが勢力・文化ともに最盛期を誇った新王国時代第18期アク＝エン＝アトンの治世。王（ファラオ）であったアク＝エン＝アトン（アメンホテプ4世）の正妃・ネフェルティティの三女であり、のちに少年王・ツタンカーメンの妻となるアンケセナーメンの物語を里中満智子が描く壮大なる叙事詩。
紀元前51年、18歳で王位についたクレオパトラは、弟のプトレマイオス13世（クレオン）と共同で王位を守っていた。先王である父の何人目かの妻エウロペの画策により弟を暗殺されたクレオパトラは、暗殺者の手を逃れローマの将軍ジュリアス＝シーザーの元へ逃げ延びた。エジプト女王として承認され、シーザーからの愛を受けたクレオパトラは、シーザーとの子シザリオンを授かるが、ローマへ帰ったシーザーはクレオパトラが思うほど愛してはくれず……。知性と美しさを兼ね備えたクレオパトラの波乱に満ちた生涯を描いた作品です。
母ゆずりの美貌と抜群のプロポーションを持つ梓麻理依は勉強が苦手な高校1年生の女の子。ホステスをする母からは、女は美しくあり、男にかわいがられていればいいと教わり、育ってきた。クラス中の男子が麻理依に夢中だが、ただ一人カタブツで優秀な巌淳だけは麻理依の色気に屈しないでいた。水と油のようなこの二人だが、ひょんなことがきっかけで互いを好きになり……！？
6月4日月曜日。朝早く目覚めた小学6年生の美幸は、両親の会話から自分が白血病であと1年生きられるかどうかわからないことを知ってしまう。自分の余命を知ってしまった事を両親に隠しながら学校に行くが、耐え切れずに早退してしまう。帰る途中、川辺で風船売りのおじいさんに出会った美幸は、おじいさんと色々な話をするうちに、1日1日を大切に生きるということを知り……。
アップルシティーの伝統ある女子高セントアップル＝ハイスクールへ転校してきた男の子のように元気なマギー。女らしい生徒を育てるという学校の教育方針とはまるで逆のマギーを更生させるために、先生たちはマギーと顔がそっくりだが、学校で一番女性らしく優秀なメイと寄宿舎を同部屋にする。マギーとメイ、二人は実は15年前に両親の離婚によって離れ離れに育った双子の姉妹で……。活発なマギーはおしとやかなメイの心配をよそに、向かいにあるアップルシティー＝ハイスクールのジョージ達とも仲良くなっていくのだが……。
昭和20年6月――敗戦の色濃くなりつつある第2次大戦中の日本。鹿児島県の鹿屋にある海軍航空隊の基地。特攻隊員に志願した若者たちが集まるこの地に、恋人を送り出した女たちは最後に一目会いたいとやって来る。足の悪い令嬢・知絵子は兄嫁の弟・圭一郎と出会い生きる活力を得る。家族のために女優という仕事を懸命にこなしてきた笛子はシナリオを書いていた貢の優しさに安らぎを覚える。予科練の教師を兄に持つ美代子は兄の教え子の一人、周一に想いを寄せるが……。それぞれの想いをこめて見送る女と、想いを振りきり飛び立ってゆく男たちの物語です。
服装や外見が派手で男遊びも激しそうな上条菜緒は実は処女。一方、見た目は純情可憐そのものの三沢香は沢山の男性と交際経験を持つタイプ。そんな見た目と性格が全く違う二人は中学からの親友で、大学進学で上京し、社会人になるこの春からも同居中。大学卒業時に付き合っていた御曹司を振り、勤めはじめた旅行会社でちょっと気になる男性を見つけた香。出版社の編集部に入った菜緒は、担当になった漫画家の元へ通うたびに、先生に惹かれていき……。見た目も性格も全く正反対の二人の恋愛はどうなる……！？
ロサンゼルスに1年間の出張が決まった滝元充には婚約者である小坂の他に深い仲の女性がいた。滝元と小坂と同じ職場に勤めるその女性・梶美穂子は、滝元が小坂との婚約を解消するという言葉を信じ付き合っていた。しかし、滝元は小坂との婚約を解消しないままロサンゼルスへ行ってしまう。手紙もあまり来ない、電話もない状況に不安と寂しさを募らせる美穂子。そんなある日、美穂子に滝元との子を宿したことがわかり……。
唯子と由花利は幼馴染同士で、上京してからも一緒に住んでいる。見た目も性格も派手で交際関係も派手な由花利に対し、唯子は性格も控えめで、お付き合い＝結婚という考え方を持つ一途なタイプ。そんな唯子が由花利のボーイフレンドの一人、昇平にほのかな恋心を抱き……。そんな唯子のどこまでも一途で全力の愛をご覧ください。
神戸理絵はフリーのイラストレーター。生活のために注文主のいうとおりの仕事をこなすが、本当は自分流の絵を描きたいとも思っている。そんなある日、食器棚の奥から5年3か月前に別れた元彼・堅介とのペアマグカップが出てきて……。ほか、女性フリーライターの仕事用FAXに送られてくる謎の人物からの愛のメッセージ……。専業主婦が恋したのはホスト……など、里中満智子先生の“二度目の恋”をテーマにした作品集です。
OLの笠原加奈子は職場の同僚である末永にずっと片思いをしている。常に彼を見ていて、ふだんの会話の中から彼の趣味趣向を探り出しそれに合わせているし、彼が話題にする映画やTV番組も欠かさず見ていて急に話題を振られても上手く答えられるようにいつも準備をしている。ところが、そんな末永がほかの女性と結婚することになり……。そんな大人の女性の愛憎劇を集めました。
ある女子高の同窓会に集まった仲良し5人組。女子大生の玲、OLの絵里子、人妻の麻沙子、美容部員の杏子、女性週刊誌編集記者の涼子……。久しぶりに会った彼女たちは、楽しそうに笑顔でそれぞれの私生活（プライベート）を話す……。それが真実かどうかは別として……。仲好し5人組のそれぞれのお話をお楽しみください。
アイドル歌手の朝積唱子と川口由歌は、デビュー2年目にしてレコード大賞にノミネートされていたが、惜しくも大賞を逃してしまう。実力派の唱子は作曲家である高森に対しレコード大賞を取れなかったことを申し訳なく思っていた。同じプロダクションの由歌はデビューしてから何かとライバル扱いされる存在。そんな二人が作曲家の高森に想いを寄せていて……。華々しい芸能界の表と裏でライバル二人が歌と恋にかける想いとは……。
大手広告代理店の経理部で働く高崎結子は、企画部の花形社員・池上雅樹との結婚を4カ月後に控え幸せの絶頂にいた。地味な経理部員の結子を池上が見初めた理由は、結子がほかの女のようにあれこれ詮索しない、男に尽くす女だと思ったから。しかし、結子はそんな対等でない関係に疑問を持ち、本当に彼を愛しているのかすら分からなくなり……。
麻生由希は素直で元気な女の子。“あかずきん”という洋服店を営む母親と、月に1度しか帰って来られないが、デザイナーをしている優しいパパがいる。由希はパパが大好きで、本当は毎日帰って来てくれたらいいと思っているのだが、由希のパパには月に1度しか帰れない理由があり……。
古代エジプトの都テーベ。貧しい少女ルツは健気に生きていたが、父の酒代のために奴隷として売られてしまう。
偶然会った占い師が、ルツの恋は何もかも飲み込み、国の歴史をも変えてしまう運命にあると予言するが……。
偶然会った占い師が、ルツの恋は何もかも飲み込み、国の歴史をも変えてしまう運命にあると予言するが……。
結婚願望の強いOLの早瀬恵子は、彼との結婚も決まっていないのについ真剣に結婚式の事を考えてしまう。最近彼が冷たくなったように感じていたら、職場の別の同僚から告白された。一瞬気持ちが揺らいだが、やはり彼のことが好き。そこで恵子がとった行動とは……！？ など、里中満智子先生の『結婚式』をテーマにした短編集をお届けします。
幕末の会津藩の武士の家に生まれた剣と馬を愛する少女・芙美が年頃を迎え江戸に詰めている会津の名家・有馬家に嫁ぐところから、明治、大正、昭和と激動の時代を時代を生き、大往生するまでを描いたの壮大な物語です。
伝統ある昭和モード学院でデザイナーを目指し勉強している香取彩子は卒業制作に取り掛かるに当たり、デザインを決めかねていた。同じくデザイナーを目指す都樫航とは良きライバル関係。（航は彩子に好意を抱いているが……）彩子は、愛人の元に出て行ってしまった父と、それをなじる母の間という複雑な家庭環境で育ったせいか愛情不信で自立心旺盛に育った。そんな彩子がさまざまな出会いと別れを経験し、デザイナーとして、女性として成長していく物語です。
社内で出会った昇平と深い仲になった衿子。しかし、昇平には親が決めたとはいえ婚約者がいた。それでも昇平の“破談にする”という言葉を信じずにはいられなかった衿子だが、優柔不断な態度の昇平に苛立ちを覚え賭けに出る……。空港で待つ衿子の元に昇平は現れるのか？ ――など、空港や海外を舞台に繰り広げられる、男と女の恋愛模様を描いた作品集です。
高貴な血筋と政治家としての手腕を発揮し、天皇からの信頼も厚く、若くして、政界の中枢を担っていた長屋王。しかし、権力の拡大を図っていた藤原不比等やその一族から疎まれ、それが大きな悲劇をうんでしまう……。日本漫画界の大家、里中満智子先生が「長屋王の変」を描く日本歴史漫画『長屋王残照記』です。
里中満智子先生のお送りする大人の女性の短編集『夜のメルヘン』。シニカルあり、ミステリアスあり、里中作品のエッセンスを一冊で色々と楽しめる作品集です。
多情なストリッパーを母に持ち、妻子と認めようともしない男を父に持つ三枝真生（まお）。真生が淡い恋心を抱いていた北村は、彼女の境遇ゆえに真生の元を去り、母の愛人は真生を乱暴した。真生は、幸せを求めて必死で這い上がろうとするが……。
園丘花子と園丘太郎は二卵性双生児の双子のきょうだい。青いバラの研究をしているおばあちゃんと、おばあちゃんの跡を継いで食品会社の社長になったパパと古風で女性らしいママとの5人暮らし。おばあちゃんとママは仲が悪くて、太郎と花子は毎日二人がなるべくケンカをしないように、男は男らしく、女は女らしくと気を遣って生活しているが、本当は男である太郎は女の子になりたくて、女である花子は男になりたいと秘かに思っていて……！？
