「作品のためなら、悪魔にも魂を売り渡す。それが芸術家というものだ」冷ややかで傲慢な男は、指一本触れることなく一方的に司を視姦する。彼こそが、書生の司がずっと憧れつづけていた歌人「立花雨月」だった──! スランプに苦しむ司に示された解決策は、純潔を差し出すより屈辱的で淫らなもの。しかしその惑乱と恋心が、司の作家としての才能を花開かせ…!? 大正浪漫の薫り高い、大人の恋物語。
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高橋と桐島は陸軍士官学校で首席を争うライバルかつ親友同士。高橋は桐島の何事にも動じない強さに憧れていた。官僚の父親への反発から軍人の道を選んだ高橋だったが、父の日本を憂う深い心を知り、父の後を継ぎ官僚になるべきか迷う。その晩遅く桐島を訪ねた高橋が偶然目にしたものは、上官に迫られる桐島の姿だった……!? 二・二六事件を背景に、激動の時代を駆け抜けた青年達の純愛を描いた表題作他四編を収録。著者・麗人初コミックス!!