『戦争と平和』『アンナ・カレーニナ』などの作品を遺したロシア文学の巨星・トルストイ。彼は同時に、『人生の道』『光のあるうちに光の中を歩め』などの随筆で、人間のあるべき姿を世に問い続けた求道者だった。本書では、「人はいかに生きるべきか」という命題に正面から取り組んだ文豪の小説と随筆から、「愛」「苦悩」「成長」などのジャンルごとに、格調高く、それでいて新鮮みを失わない言葉を抜き出し、みずみずしい訳で「再生」した。
“世界的文豪 トルストイ”の珠玉民話。子どもから大人まで漫画で分かりやすく読めます。
人間が普遍的にかかえる命題とは何か? 3つの「問い」が私たちの心に火をともします!
【ストーリー】
一人の靴屋が、女房やこどもたちといっしょに、農家の家の部屋を間借りして住んでいました。生活は苦しく、稼いだお金は食費に消え、毛皮外套も妻と共有のぼろしかありません。
ある秋の日、靴の修理賃をうまく回収できなかった靴屋はやけになり、なけなしのお金をはたいてウォッカを飲んでしまいます。家へ帰る道すがら、靴屋が曲がり角の礼拝堂のそばまで来ると、そこには、裸の男が身動きもしないまま壁にもたれてすわっていて……。