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ヒマラヤ山麓に近い高地にある寂しい村。ここに、モプという宮殿があり、領主トゥダ・ライはこの宮殿を利用して尼僧院を開き、英国人の尼たちを招き現地の子どもを教育してもらおうと考えた。尼僧クローダーは責任の重さを覚悟してこの大役をひきうけ4人の尼僧を選んだ。年長のフィリッパ、プライオニー、ハニ、健康をそこねているルースの5人は新しい希望にもえて任地へ到着した。だがこの地方唯一の同国人ディーンは頭から彼女たちの仕事を嘲笑しているようだった。尼僧院の仕事は一応は順調に進んだが、クローダーには尼僧たちの心が信仰から次第に離れていくように思われた。フィリッパはこの仕事にたえられないといって転任を申しでた。クローダーの心は弱りディーンに対して頼りたい気持が強まった。クローダーの悩みはそれだけではなかった。ルースは信仰をすてようとしているらしかった。しかもディーンへの執着に悩むルースはクローダーを恋仇として激しく憎んでいた。そしてある夜とんでもない悲劇が起こった……。
レルモントフ・バレエ団のプロデューサーであるボリス・レルモントフは、バレエ界の天才的プロデューサーとして名高いが、バレエの鬼で愛情のない冷い人間として一座の者から尊敬はされているが親しまれてはいなかった。ボリスはロンドンで「火のハート」を上演中、二人の新人を発見して一座との契約を行った。一人は青年作曲家ジュリアン・クラスター。もう一人は、すでに玄人芸に達しているバレエ・ダンサーで、社交界の令嬢ヴィキイ・ペイジである。二人は一座と共にロンドンからパリへ行き、クラスターは楽長リヴイの助手としてオーケストラ・コーチを受け持ち、ヴィキイは群舞のダンサーとして踊った。ところがプリマ・バレリーナのボロンスカヤが、かねてから愛し合っていた愛人と結婚すると、一座のメンバーからの祝福をうけたが、恋愛や結婚はバレエ芸術の精進に害ありとするレルモントフは、パリ興行をかぎりにボロンスカヤをクビにしたのだった……。