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スメルズ ライク グリーン スピリット
2013-08-27
5
Renta!
で購入済み
※このレビューにネタバレが含まれています。
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ようやくSideBも電子書籍で発売されたので、早速購入しました。息詰まるような田舎の小さな社会で性的マイノリティであることを自覚しちゃった十代のそれぞれの選択を描いていて、とてもよかったです。BLと、いわゆるJuneの違いって、ハッピーエンドとか、文学作品としての完成度の違いとかとか一般に言われているようですが、Juneでは、男性間の同性愛は耽美の名の下に退廃的ないわゆる禁断愛の一形態として扱われましたが、BLは、依然、女性読者を対象とした同性愛ロマンスでありつつ、同性愛=禁断愛という枠組を離れ、最近では性自認とか性志向、もしくはゲイ・アイデンティティといった話も積極的に扱うようになってきた感があります。(あ、もちろん裾野にはエロ消費に特化した漫画・小説が山のようにあって、数はこちらが圧倒的に多いんですけどね。)スメルズ・ライク・グリーンスピリットは、だからBLにとどまらずに評価されるべき作品かもしれないけれど、そうしたBL市場の成熟を表した作品のひとつでもあるのかなとも思います。
89
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In These Words
2013-06-26
5
Renta!
で購入済み
※このレビューにネタバレが含まれています。
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息遣いまで伝わるような画力、硬質で常に緊張感を感じさせる会話、よく練られていそうな(というのもまだ話は全然終わっていないので)プロット、魅力的な人物描写と、漫画としてものすごく完成度が高いのはまず間違いがありません。猟奇的な描写などもちろん好みがありますが、それを批判されても内容紹介に偽りなしとしかいいようがないでしょう。さて、この漫画の一番多い批評として、これがBLというジャンルから外れるという指摘があります。その指摘を読んで、Marshall Thorntonというゲイ・ミステリ作家のコメントを思い出しました。現在、彼を含む少なくないゲイ作家が、先細りのゲイノベルを扱うインディーズの出版社を離れ、女性向けのスラッシュノベルを出している出版社から小説を出しているのだそうです。その中で、Thorntonが出しているBoys Townシリーズに向けられる主だった批判がM/M小説とはいえない、というものなのだとか。Boys TownシリーズはLAMDAのファイナリストになるなど、ゲイ・ミステリとしては非常に評価が高いわけですが、スラッシュノベルを楽しむ(おそらくストレートの)女性には必ずしもその期待にこたえていないわけです。in these wordsに向けられる指摘もこれと似ている気がします。
72
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