ninicoさんのレビューリスト　

「野獣王子と、兄王の許嫁」の『兄王』こと国王が今作のヒーロー。この兄弟がシリーズであるというのがあちこちに散りばめられています。同作者の原作シリーズとしてはもっとあるみたいですが、全部がコミカライズされてはいません。国策ヒーロー、野獣王子の弟より更に拗らせた(拗らされた)頑固者です。ヒロインがそんな国王(ボスでもある)にズバズバと容赦なく物申すのが気持ちいい！元々地頭の良い子だったんでしょうね。最後がちょっと駆け足感があったのは否めませんが、ヒーロー側がここまで追い込まないと本当の気持ちを自覚出来なかったと思えば、まぁ許せる範囲でしょうか？

シリーズを追ってここまで来ました。 時間軸的に今作→「野獣王子と、兄王の許嫁」(姉・バイオレットがヒロイン)→「孤独な王と、拾われた少女」(ヒロイン姉が嫁いだ国の王とその秘書が主役)です。 原作はもっとあるかも知れませんが、コミカライズは今の所この3作。中でも今作は他2作とはほぼ絡みがないのと、今作では人格者なヒロイン父が悪者(？)になっており、コミカライズ作家さんも違いますし、今作は今作だけで楽しんだ方がいいかも。 とは言え、ヒロインの芯の強さは姉妹よく似ています。意識していないだけでヒーローはずっとヒロインを思っていて、その事実から目を逸らしたくて全然違う系統の女性ばかりと付き合ってきたんでしょうね。 ここまできたらヒロイン兄の話も読みたいかもw

作家さん買い。若干線は細いものの、高井先生の描く男性が好みなのです。ヒロインは心身共に子供っぽい気はしますが、兄姉により(結果的に父親にも)狭く閉ざされた世界しか知らずに生きてきたのでは無理もなかったかと。 またヒーローも過去に自らを縛ったまま生きてきた訳で、出会って漸く二人共に次の扉を開けたって感じですね。 皆仰ってますが、ヒーローのヒロイン強奪wシーンは非常にスカっとしました。姪っ子は最初こそアレですが、冷静になればちゃんと良い子なのも良かったです。欲を言えばお婆ちゃんに孫を見せるシーンがあれば最高だったかな。

「家なきナニーの子守歌」「白紙にしたはずの愛」のバランタイン家の物語、出来ればシリーズで纏めて欲しい所。 とは言え単独でも楽しめると思います。 時系列的に「家なき〜」→今作→次男(あれば…)→「白紙に〜」の順。 各話宝石が絡みますが、鍵はベビーですかね？ ヒーロー・ヒロインは勿論、登場人物全員が家族愛の強い人達で、傲慢な人も悪人も述懐程度にしか出て来ず、安心して読めて読後はほっこり。個人的にはちょっとしか出てこなかったのですがヒロイン従姉妹伯母が格好良くて好きです。

うーん…作者買いですが、明かされない情報なら提示して欲しくないかなぁ…ヒロインの過去とかシスターの実際の思惑とか。あと他の方も仰ってますが、島を買ったのは先王が王妃を愛していたからで、妻を亡くした憤りと私怨を遠因となった息子達にぶつけた感じですね。王女は文句なしに可愛いだけに、まだ妊娠判明直後の不安定な身でヒーローに振り回されるヒロインが不憫。

先に三作目を読んでしまったのですが、十分に楽しめました。一作目「プロヴァンス富豪の脅迫」と三作目「 光の乙女と闇の大富豪」のヒロインはバレリーナと元バレリーナ、そして今作のヒロインはバレエ経験のある一般人なので、作中でも語られていますがきちんと皆体型が描き分けられているのも良かったです。一作目と三作目のヒーローが非常に激しく拗らせているので埋没しがちな今作ヒーローも、これはこれで色々卑屈というか厄介というか、お互いに強く惹かれ合っていながらお互いの家族で苦しんだ過去が二人を引き止めていた問題が、やはり一作目と三作目では見えなかった側面として描かれています。

三作目をうっかり先に読んでしまった後でのレンタルなので、最終的にどうなるかを判ってはいたのですが、それでも十分楽しめました。ヒロインは徹頭徹尾一途な人で、ヒーローはそんなヒロインに一目惚れで、でもってヒロインもヒーローに一目惚れ。最初から素直でいられればややこしい事にはならなかったのに、お互いに事情があってそれも叶わず…こういう話では隠した結果誤解されて、が多いのですが、そうではないのも新鮮でした。

しまった三部作だったのですね…最初に読んでしまいました。が、ほぼ問題なく読めました。シリーズ1拗らせているヒーローと、正にタイトル通り天使の様に寛大で優しい、でも芯がしっかりしているヒロイン。導入部こそあっさりした展開だと思いましたが、話が進むにつれヒロインの強さと、それに反比例する様にヒーローの鬱屈した闇が見えてきて引き込まれました。ラストは三部作を飾るに相応しい大団円。時間軸としてはほぼ同時進行位の進み具合なので、三部作全部を読んだ後にそれぞれを再び読むと「一方その頃こちらの二人は」みたいな気持ちになれますw

ベティ・ニールズ作品なので「オランダの医師で爵位持ちで背が高くてヒロインへの好意を隠さなくて温和…すぎてちょっと優柔不断にすら見える性格のヒーローと、ちょっと恋に臆病でヒーローの行動には鈍感だけど優秀で優しくて健気で患者や仲間に好かれるイギリス人看護師のヒロインが主軸で病院が舞台」だと分かっていたのに！山口先生だから！…と借りてしまいましたw ライバルが分かりやすい上、それでも嫌いになれないのは山口先生の力量かな？彼女も敵対心故にちょっと意地悪はしますが、根っからの悪人ではないので誰かと幸せになって欲しいな。 ヒーローの叔母さんとオランダ語を教えてくれる先生が凄く可愛くて個人的に大好きです。

あー可愛い!!!!!可愛いですこの二人!!!!! 山口先生のコミカルな雰囲気が大好きで、では変身ものはどうやって描くのか気になり借りて大正解。コメディは楽しくて、ヒーローは大型犬の様に無邪気で可愛くて仕事も出来て、でもちょっと直情型の愛すべきおバカさん。ヒロインは真面目で愛情深くて、結構恋愛に関して拗らせてますが、傷心から立ち直るのに2年かかってる訳で、きっと真面目に元夫の事も愛していたのだろうという説得力があります。「泥色沼色〜」や「海の底に〜」などの言葉の言い回しがとにかく好き。