現在、海外から入ってきた麻疹など特定の病気の感染拡大が問題になっていますが、そういった問題が実際に起きてしまう前にこんな作品が描かれていたんだという事実に、ゾクッとさせられます。そのストーリーの巧みさはもちろん、天才で俺様な主人公・紐倉博士が素晴らしく魅力的で、断然オススメの作品です。私は同じ内容の旧版をRenta!で購入して読みました。旧版は『ネメシスの杖』『インハンド 紐倉博士の真面目な右腕』というタイトルです。こちらはドラマ化に合わせてタイトル変更した新装版です。

大満足なお話でした。ヒーローは怒りと憎しみに囚われていたけれど、最初から誠実で自分を取りつくろったりごまかしたりしなかった。だからヒロインは彼を信頼し、どんどん自分の世界を広げていく。そうして見えない壁を飛び越えていく彼女にむしろ引っぱられるようにふたりがたどり着いた真実は、ヒーローにとって全てがひっくり返るようなものだった。ひっくり返ったそのとき、そこまでに綿密に張られていた伏線が全部つながって、思わず唸っちゃいましたよ。だからその後の流れもとても自然で、心からふたりを祝福できる内容でした。

朱戸アオ先生のデビュー作「Final Phase」をほうふつとさせる、パンデミックものです。日常の中に、ある日突然とんでもない病魔が忍び込み、誰もが呆然としている間に次々と人が死んでいく。絶望的な状況下で、医療関係者をはじめ多くの人たちが、必死になって生き延びる方法を探し始めます。朱戸アオ先生らしく、そういうストーリーが淡々とした筆致で描かれ、それだけにゾッとするほどリアルに迫ってくる内容になっています。オススメです。

二輪、四輪、建機に電車、潜水艇に戦闘機。とにかく陸・海・空の、あらゆる乗り物が登場します。そしてさまざまな危機的状況を、主人公のスーパー・ドライビングテクニックで切り抜けていく、というお話。比較的二輪が多いかな。ロードにダートにトライアル、レースシーンも鈴鹿8耐やらマン島TTやら。マン島ではサイドカーってのが泣ける。そんでもってスーパーカブまで出てくるし。あと、パリ・ダカにはカミオンで一瞬だけ参加。これ、毎回違うメカ描くの大変そうだけど、作者さんが楽しんで描いてる感じがします。まあ、突っ込み処がないとは言いませんが、ソコは漫画なんで(^^;　でもホントに危機的状況なのに、主人公のほんわかしたキャラのおかげでクスッと笑えるし、脇を固めるキャラたちもみんないい味出してて楽しめます。

絵のタッチから、ちょっと軽めのお話なのかなと思いつつ、無料お試しで読んでみたところ、フツーの熱血少年野球漫画でした(笑)。悲壮感なくテンポよく、でもそれなりに泥臭い展開もあるし、うるっとさせられたりと、楽しく読めますよ。

うをー早く最終巻出して、最終巻！　張り巡らされたナゾが、最後の一点に向かって収束していくという構成で、読み応えがあります。だから早く最終巻を出してー！

でき過ぎ感はありますが、ぐいぐいと読まされます。自分自身を扱いかねている人には、心に刺さってくるものがあるのではないでしょうか。好き嫌いは分かれると思います。

泣きました。スプリンガルドもそうだったけど、ホントにいい男なんだから、主人公が。どうしようもなく純情なくせに全っ然素直じゃなくて。彼女の意固地なまでの頑固さもなかなかだったけど。最後の瞬間に間に合って、本当によかった。いいですね、こういう愛の形って。ホントに泣けます。

えー全然コメディじゃないよー。アヤメくん、確かにちょっとズレてるけど、すっごいピュアでかわいいよー。

偏屈、頑固、独善的、常に俺様で我が道しか行かない、そういう主人公ですが、実に魅力的です。いや、思いっきり悪人面なんだけど(^^;　しかも読み進むうち、そういうキャラだからこそ「病理医」なんてのをやってるんだ、やっていられるんだ、っていうのがよくわかる構成になっていて、お話としてもすごくおもしろいです。周りのキャラも重いとことか湿ったとこ、ちゃんと押さえてくれてるし。しかし大変そうだな、病理医って。これ、実写ドラマ化したらすごく受けると思いますね。