めいさんのレビューリスト　

主人公になにか特別なことが起きるわけではないのですが、ひとつひとつのエピソードが胸に刺さります。家族への思い、友人への思い、それらに明確に名前をつけて話を締め括るわけではないのに(ともすれば不完全燃焼感を読者に与えそうでもあるのに)、読後はすっきりとした気持ちでした。

「さみしさ」の短編集、本当にその通り。この作者の作品にしては内容がリアル寄りだし読みやすいので、絵柄が大丈夫なら誰にでもおすすめできると思う。すれ違いだったり片思いだったり理想の押し付けだったり、いろんな寂しさがあるね。

絵は本当に好き嫌いがわかれると思う。でも、もしこの作者の絵柄が大丈夫なら、騙されたと思って読んでみてほしい。切ないとか通り越してほんと痛い。

面白くなかったわけじゃないし、絵も綺麗で読みやすいです。でも最終話が急展開すぎて……もっとそれぞれの心情を掘り下げてほしかったです。100円レンタルなので星３つですが、定価で購入していたら多分星２つにしていると思います。

たったの40ページなのに、押見修造好きにはたまらない作品。この話に限らず押見先生は、歪んだ愛みたいなものと変態を書くのがほんとにうまい。

どの短編も読みやすく面白かったですが、どれも交際に至るまでの話なので、百合カップルが仲良くするところを見たい方にはいまいちかもしれません。

後半の話ももちろん面白いのですが、私は表題作の方がとても好きです。健気受けに弱いので(笑)おバカなヤンキーで健気ってほんとに可愛い(笑)想い合う描写も全然不自然ではないですし、表題作の方は前作未読でも全く問題ないです。

最終的に報われる(？)執着系が個人的に好きなので、とても面白かったです。でも内容が内容なので、読む人を本当に選ぶ作品だと感じました。お子さんがいる方なんかは読まない方がいいのでは、と思います。

攻めがなぜれんげを好きになったのかいまいち理解できなかったです。あと、れんげの体型(おしりなど)が個人的に苦手でした。ストーリーが面白くなかったわけではないので、あくまで個人的な意見での低評価です。

しんどいです。「尊くてしんどい〜」とかじゃなくて、辛いという意味でほんとにしんどい。読むのがえらい。でもこのシリーズが大好きでずっと楽しみに追ってきたので、次巻も絶対読みます。この巻は、難聴や聾についてだけでなく、いろいろな障害や人(いわゆる“普通”の人)との違いへの差別や、知らず知らずに自分もしてるかもしれない心ない言動についてもすごく考えさせられました。