内容は面白いし主人公も素直で前向きでいい作品。ただどうしても最初っから最後まで開のことが大っ嫌いだったのでコイツがうまく幸せになってしまったのがなんか個人的にはもやもやしてならない。

やっぱりこのころの作品は勢いがあってキャラも魅力的で面白い。ラストにフロッピーディスクが出てきちゃうのには時代を感じますね。というかリアルタイムで見てた時ですらフロッピーかよ、ってツッコみたくなりましたが。

設定的にもっと大長編になるかと思いきや、割とさらっと短めにきれいにまとまった作品。読みやすくて面白いです。

ツッコみどころも多々ありますが、やっぱりこの頃の作品はエネルギッシュで面白いです。個人的には本編でスパッと終って完結編はなかったほうがインパクトあってよかったかな。まあそれだと救いなさすぎるけど。あと個人的には因業ババアで主人公殺そうとするろくでもないばあさんでしたが、夫はじめ（というかこの人がいろいろな意味で一番悪いと思う）家族全員誰一人ばあさんの気持ちはちょっとも考えてくれないんじゃかわいそうだなあ、と同情した派。

現代ものより創作ファンタジー世界もののほうが設定や展開の粗が目立たないしこの作者さんにやっぱりあってるなーと思いました。-

もともと勢いで押すタイプの作家さんでいろいろ設定や展開、キャラなどツッコみどころは多いですが、最初のころは面白いと思います。せっかく最初は面白いのに、作品が進むにつれて後先考えずにむやみやたらにどんどん設定盛り過ぎたりその場の勢いでキャラの性格や処遇をコロッと変えすぎたりでだんだんあちこち破綻していって収集つかなくなる傾向があるような気がして残念。

本当さらさらっと読めるんだけど読み終わった後に特に心に残るようなものはあまりない感じでした。

前作「玄椿」よりは個人的にはだいぶいいかなと思うのですが（普通だったらより生臭くなるはずの男同士のカップル設定のおかげで前作のように誰彼構わず男と関係してはひたすら子供子供妊娠連呼とかいう流れがない分逆にその辺の生臭さがマシになるというある意味不思議な現象ですが）話が進むにつれて主人公の存在感がだんだん薄くなってしまってちょっと作品の軸はブレてるような気もします。

個人的にはツーリンクシリーズも無印の最後でスパと完結させたままでいてほしかったなあと。Euro編は個人的には存在自体蛇足感を感じてしまいます。

ジェニーシリーズも初期は面白かったのですが、このころになると設定も無茶苦茶で辻褄合わせる気ももうなさそうにころころ変わるし、中途半端に雑にその時々の時事問題やたら取り込んでは無駄に意味なく風呂敷広げ過ぎて収集つかなくなるし、そもそも主人公何歳だよって話だし、玄椿に影響されてるのかやたら子供産んだり子どもクローズアップしすぎたり子供みんな天才だったり、正直どんどん劣化しちゃってる気がして残念。