ゆんさんのレビューリスト　

作者買いです。久し振りの新刊に期待が大きかった分、正直なところガッカリしてしまいました。無性愛者というより、ただの自己中に近い主人公(受け)に、最後まで全く魅力を感じられませんでした。無性愛者で恋愛が出来ないのは分かりますが、イコール他人への思いやりに欠けるというのは違うと思います。両親や、部下、そして攻めに対する態度にも不快感を持ちました。無性愛者であるが故の葛藤や孤独にもリアリティーがなく、浅いところでただイライラしているだけですし、仕事面ではエリートという設定の割には現場にも足を運ばない詰めの甘さや、海の家での幼い態度にもドン引き。見た目は綺麗なのかもしれませんが、それ以外に何もなく、(あくまで個人的にですが)ARUKU先生の描かれる魅力的なキャラクター至上、最も好きになれないキャラでした。反して、攻めのキャラクターはとても印象的で、屈託ない明るさの裏に垣間見える孤独な姿に、ARUKU先生らしい魅力を感じるキャラクターでした。ただ、そんな魅力的な攻めが、あのような主人公を長年想い続けることに、ますます共感出来ず。無性愛者という設定を活かすには、受けと攻めの設定を逆にした方が、まだ共感出来たように思います。

続き物です。1巻では同じクラスの2カプの話が同時進行していきます。はっきり言ってこのスクールカーストの設定はツッコミ所満載ですが、そこには敢えて目をつぶりスルーしちゃった方がストーリーを楽しめます。いつも緒川先生の描く、性格に難有りな受けが大好きなんですが、今回の梓はその中でも私的にダントツです。とにかく梓の表情がとても良いです(その表情が見たかった、という攻めの気持ちもまぁ分かります)ですが今のところ、攻めに魅力が感じられず★マイナス1にしました。設定とはいえキャラが変わりすぎて、前半と後半の違和感がすごいです。顔も違うし。2巻からの展開によって、攻めに魅力が増すことを期待‼もう1カプの話も面白くて続きが気になります。個人的にはこちらの攻めの方が好き。あつむは梓とは真逆のタイプで可愛かったです。

大好きな作家さんですが、これはハズレでした。起、承、まできて、いつ転があるのかと読み進めている間に読み終わってしまいました。後悔しています。