春原ぱらけったさんのレビューリスト　

表紙がＮＬ本のよう。女の子みたいな外見の受けは結構好きです、しかし本作は心まで女子でちょっと守備範囲外でした。内容紹介にあるように押しかけ妻設定。知らない人間が戸籍謄本もって「妻です」とやって来るのですよ……。個人的にホラーにしか見えませんでした。受けの思い込みが強すぎて、恐怖に拍車がかかるってものです。読む人が読めば、健気受けに見えるかもしれませんが。表題作以外に短編が1本。同じ人が描いたとは思えないような絵柄と雰囲気。短すぎて話は良く分かりませんでしたが、好みの雰囲気。なので、星一個でしたが追加で。

短編7本収録。エロやコメディが主で、その中にシリアス作品が混じっています。今回は内容紹介のシリアスエッチの香りにつられて購入。ＢＬだと中々巡り会えませんが、シリアスな作品や、後味が悪い物が好きな方です。作者の作品は、おバカなラブエロ系しか読んだ事がなく、だいぶ油断。なので、表題作「残酷に、恋する」は読後気分が少々落ちました。本望ですが。表題作の後ははっちゃけたエロだったので、平和に感じつつもちょっと忙しかったです。シリアス縛りの作品集だったらな……と個人的に少し残念。ピアスなので、ラブシーンは濃いめで時々マニアックプレイ有りですが、キャラクターが人形のよう＋過修正で色っぽさは余り感じませんでした。

「猿喰山疑獄事件」で衝撃を受け、続けてこちらをレンタル。表題作で0話〜12話＋特別編＋4コマ、他に短編が3本収録。猿喰山を読んだ後という事もあり、色々染み渡る作品集でした。表題作は、タイトル通り、苦いのと甘いのがゆっくり混ざり合っていく物語展開。三日月君が強くなっていくのが嬉しくもあり悲しくもあり、サンプルにあるオドオドした彼が色っぽく見えたからかもしれません。これまた攻めが強引に、という風に行かないのがパターン化してなくて良かったです。じっくり時間をかけて読みました。他の短編も、◎。クリーニング屋の物語は、実は最初意味が分からず、ラストのコマを良く見て「ああ」と理解。読んだ時は特別感じる事はなかったのですが、ふと思い出した時、特に自分が弱っている時なんか、ジワッと込み上げてくるものがあります。絵で訴えかけるラストだから、記憶にひっかき傷を残して、思い出させるんでしょうかね。癖のある絵柄に、寂しげな瞳、中毒になりそうです。

「トロンプルイユ〜」「蔓草の庭」の印象が強かった為、ライトな雰囲気の表紙で、一見では著者の本と分からずスルーしそうに。名前でハッと来て、作者買い。短編7本＋表題作ショート後日譚収録。余裕あるゆったりした絵柄に反して、話の展開が驚きの速さだったりします。そして「これからだ」と読者の気持ちが高ぶりそうなところで終わる傾向強し。恋の始まりを描くのが好きなのでしょうか。物語的には正直満足していませんが、絵が……タイプだから困ります。艶めく黒髪の描き方やキスシーンが、ツボ。不思議な熱っぽさ。多分次も作者買いしそうです。

一応18禁。一般BLとの違いは？と疑問。ぼかしも通常通り、本家はもっと丸見えだから18禁なのでしょうか。「18禁か、どれどれ……」という、けしからん姿勢で読んだせいか、妙な違和感を抱きながら読了。成人向けコミックで、嘘みたいな大量体液ドロドロを見かけますが、女性向けだからかでしょうか、割とサッパリ。普通に「いい話だった」と感慨に耽った物語もあり。何だか、綺麗な18禁。エロいはエロい。しかしぼかしパワーで、視覚的エロが中途半端。道具や縛り、近親相姦タブーもあり。作者さんも18禁意識して一生懸命描いたかもしれない、けど、肩透かし感が否めず……。18禁「っぽい」作品はありましたが。また、何作品かはスピンオフで、リブレ読者さんに的を得た感じで、本家を知らない者としては寂しい。18禁にこだわり＆求め過ぎて(文章が18禁だらけという有様)、中途半端な星評価ですが一般BLとして読み直すと上質に感じます。これが18禁BLか！と色々な意味でショックを受けて忘れかけていましたが、このチケット数は痛いでござる(口調がおかしくなる位です)

【ネタバレを感じるかもしれません】気になっていた作品で、表紙やタイトル、内容紹介をジロジロ見続けたせいか、そびえ立つフラグが視界に。読み始めると更に強く感じました。いやでも違うかも……どんでん返しがあるかもしれん、と読み進めたものの、ラストが予想通りで撃沈。なので、感動する事はなかったです。それでも中立評価なのは、絵が好みだから。動物も上手に描ける作家さんて、あまり見ない気がします。個人的に、話はちょっと残念でしたが、1チケ無期限なので、絵を堪能したいと思います。ラブシーンもあるので、年齢差苦手な方は注意。

カバー裏掲載(？)の、主人公友達のショートコミックが一番面白かったです…。ぜひともこのCPで見たい。

前作のチンチロリン、とんでもBLで結構楽しんだ記憶があり、ちょっと楽しみにしていたのですが。こういうのは「外伝」というのか……？セックスライフを覗き見た、という感じです。前作は、表紙にあるように5人と絡んでいましたが、今回は3人のみ。他の人は名前のみの登場という。これから外伝小出しにするのかな？あと、絵が変わったような…攻めまで可愛い感じになってしまい、残念。

【タバレ感有】最初は格差ラブロマンスかい、ん？と頬杖ついて見ていたのですが、だんだん背筋ピーン。軽い気持ちで読み始めた為、衝撃が大きかったです。コメントも多いので、絵柄やら内容には強く触れませんが、良ければ、私の若干暑苦しいレビューをご覧ください。個人的にどツボな作品でした。ある意味、因果応報なお話でしょうか。それだけの話で読んだら、悪者が報いを受けて…とスカッとするのですが、これに関してはそうもいかない。私まで庭師に魅了されちゃったかもしれません。ラストはジワッとくると思います。結構私も泣いてしまう性質ですが、本作は泣くを通り越して、「おぇっ」とえづいた位、胸に来ました。気を取り直して、再び最初から読み返そうとした時、冒頭のカラー扉絵で今度こそ本当に涙腺崩壊。いつの設定かは分かりませんが、庭師の顔にゆらめく包帯が、私の涙腺をくすぐって仕方ありませんでした。希望と作者の優しさを感じました。ラストで「おぇっ」となったら、カラー扉絵を見ては希望をはせています。……最後の姿を見る限り、元に戻るのは絶望的な感じですが、そうだと思いたい。あの扉絵の彼らが、例え夢の中の2人であっても。

【若干ネタバレ】地獄行きバスで4編＋夜の女王で3編。著者の本は、ほの暗系で痛い物しか読んだ事がなかった為、色々意外。絵はガサガサしつつも良い感じにシュッとして、ラブシーンは時々画面から飛び出てきそうな立体感。【地獄行きバス】はどんな酷い結末が…と読む前から心を痛めていましたが、愛に溢れた可愛らしい物語でした。【夜の女王】は、明治さんっぽい感じがジワッと出ています。「この子と結ばれて欲しいけど当て馬要因だよね」と思っていたら、想像の結末と違い、嬉しかったです。結ばれたかは確定ではないけれど、ラストはあの2人の始まり、と思いたい。これが最後だ、と体を合わせるシーンのキスも、愛を感じたのは私の気のせいでしょうか。少々分かりにくく、最初は貴志の片思い話かと思っていましたが、読み返してみると、彼も自分の感情がなんなのか良く分かっていない感じ？貴志と輝は、いざ唇を合わせてそこでようやく家族なんだって気づいたのかな。ご飯を一緒に食べる事にこだわる輝と、それを受け入れた貴志は、これで本当に家族になる道を選び、同時に別の道を見つけたのかなと思います。読者に委ねる系の物語ですが、個人的にグッときました。