あちさんのレビューリスト　

不思議な設定ではありましたが、何故だか引き込まれてしまいました。元カレは別れたつもりはないと言っていましたが、置き手紙の文書はどう見ても別れの手紙だしモヤモヤしてしまいました。

良くも悪くも軽くサラっと読めるという印象です。他の方も書いていましたが、人間模様の上澄みだけをすくったかのような内容で途中読むのが苦痛になってしまいました。1カップルの長編なら面白いのかな、この作家さん。

後半急速に話が解決?して消化不良ぎみになってしまうのは他の作品にもありがちな流れですね。仕方ないのかもしれませんが。アントンがちゃんと痛い目にあっていたらもっとスカッとしたかなぁ。

酷い捨て方をしてもまたやり直すことが出来ると思って強引にことを進めるヒーローも、序盤軽蔑してると抵抗するもあっけなくほだされるヒロインという流れはハーレクインの様式美かもしれませんね。個人的には、酷い仕打ちをしたヒーローに対してヒロインはもっとコテンパンに仕返ししてやれって思ってしまいました。笑

ん〜ヒーローが最悪過ぎますね。レイプ紛いに事に及ぶは散々ヒロインに罵詈雑言浴びせるは。それを最後はあっさり許してしまうのはHQのお約束…というところでしょうね。

「激しい」この一言に尽きます。とにかく誰かが常に叫んでいるような内容ですが、ヒロインに見限られたヒーローがあっけなく飼いならされた虎になってしまったのには、笑っちゃった。

少し憂いを帯びた絵柄が好きです。今回のヒーローは記憶喪失を克服しようとしますが、ヒロインと言い合いになると気絶しがち…笑なんとなく韓流ドラマみたいだと笑ってしまいました。

このページ数でこのストーリーをうまくまとめるのはやはり作家さんの腕なんだと思います。それに津谷さんの描く柔らかな女性の雰囲気がとても好きです。

よくある秘書が長年の片思いを断ち切るための辞表からのストーリー展開かとおもいきや、今回はボスもヒロインに片思いしていたという話です。

これは今の時代にはそぐわない関係性なんだろうなと思います。言葉の表面だけとれば冷たいご主人ではありますが、心の奥では奥さんを思っている(と、思いたい)しかし、この苛だたしさ拭えないのがこの作品の難しいところ。修行が足りないのかな私…笑