かなり邦訳が昔風で、古くさい感じが抜けきれず話に入り込めませんでした。記憶を失ったヒロインを疑ってかかり、辛くあたるヒーローだったのに、最後にあっという間に記憶が戻り、突然の告白タイム。唖然としてしまいました。

若くして愛し合った恋人同士が親によって引き裂かれ、10年後に再会します。ヒーローは以前のまま、ヒロインのことを守り愛したいと思っていますが、ヒロインは長く傲慢な父親の支配下にあったため、素直にヒーローに守られることを良しとしません。最後はヒロインが自立して、自分がやりたいことを見つけることができたのでよかったです。

最初は政略結婚として公爵の方が妻としての条件を決める方だったのに、どんどん野暮ったかったヒロインが美しくなって、もともとの教養と知性もフル稼働して素晴らしい公爵夫人になるに従って、公爵がどんどん妻にメロメロになるところがよかったです。

放蕩者の公爵が自分の妻としての条件に合うヒロインを強引に花嫁にする政略結婚のストーリーです。いろいろ理由をつけてはいますが公爵はどんどん妻への愛の深みにハマっていきます。悪い人も出てこず、公爵とヒロインがお互い誤解してこじらせているだけなのですがかわいかったです。

お父さんの秘密が気になって続きを借りてしまいました。えー、そういうことー!なんだかヒロインが弟のためにぜんぶ非難を引き受けたみたいでかわいそう。他の家族、特にお母さんは真実を知りながらヒロインが批判されるのを黙って見てたってことだよね？自分は楽しくやりながら。なんだかもやもやしました。

ヒロインは美人で知的で優しくて、しかも銀行家だった父の莫大な遺産の相続人で欠点は行動力がありすぎること？くらいです。遺産のために家族から結婚を強いられ、はるばるアメリカからイギリスへ逃避行。隣家には過去の辛い経験から人の重荷を背負う心構えができないとぐじぐじ言ってる伯爵。一目惚れのくせにこの伯爵は屁理屈ばかりでちょっと途中疲れてしまいましたが、最後は頑張りました。

事故で心身ともに傷ついて回復途中のヒロインは、無理をして亡き妹が残した子供たちに会いに義理の兄の元へ。冷たく追い返されるかと思ったら、ヒーローはヒロインの心情も性格もとてもよく推し量れる人でとても寛大で優しい人でした。愛を信じられないヒーローでしたが、最初からヒロインのことを気に入っていたのですね。苦労が多かったヒロインが幸せになってよかった!

ヒロインは子供の頃から男の子みたいにヒーローのあとをくっついて育った女性です。7年の時を経て超美人になったけど、中身は勝ち気で男勝りなお転婆娘のまま。ヒーローとはかなり年齢が離れているようですが、ヒロインを前にすると大人のヒーローがついついケンカ腰になってしまってギクシャク。でも楽しいお話でした。

ヒロインは血のつながらない妹の子を一人で一生懸命育てているとても優しく、知的な女性です。ヒーローは利己的だった母親のせいで女性に対して冷たいです。ヒーローがずーっと感情を表にあまり出さない寡黙な人なので、最後の告白タイムが急に始まってあっけなかったです。

サスペンス風でもあり、これからどうなっていくのかとても楽しみです。ヒロインは裏表のないとてもいい子で、幸せになってほしいなー。