まっしゅさんのレビューリスト　

近未来の、深海にある水族館からスタートするお話。深海生物と絡んだ人間ドラマが優しく展開されます。朗らかな主人公だけでなく、先輩飼育員たち、館長、漁師見習いの友人等、魅力あふれる登場人物たちのエピソードも素敵です。水族館の水中や海中、深海生物の描写がとても美しく、水族館に行きたくなりました。作中でも少しだけ触れられていますが、「マグメル」という単語の意味を調べてから読むと更に感動が深くなる気がします。

旧版の評価です。体育会系爽やか攻め×眼鏡黒髪受け。青春BLではあまり見ないような、教室で攻めの突然のキスから始まります。続刊では触れられているようですが、この刊だけだと何故お互い好きになったのかの過程はあまり見えてきません。攻めが受けに対していつから気になったのかは多少触れられていますが、あっさりしすぎていて物足りなさを覚えます。中途半端な性描写をいれるくらいなら、その分心情描写を丁寧に描いてくれたら良かったのになあと思いました。強引とまではいかないものの好きという感情で受けを引っ張っていく攻め、男同士の恋愛に躊躇しながらも攻めとの恋愛を受け入れていく受けの甘酸っぱさは可愛らしかったです。

モデルで、しかもドラマの撮影をしている受けにキスマークをつけるのはどうなんでしょう。受けが攻めをどうして好きになったのか全く分からず、不要と思えるエピソードもまざり、読書の置いてけぼり感が強い。エロもそれなりにあるけど表情のせいか何故なのかエロスを感じない……。サブカップルのエピソードは匂わす程度にして、スピンオフにすれば良かったのでは？表紙とサンプルで絵が綺麗だと思ったんですが、バランスが崩れてるところも多く残念。初めての作家さんだったので期待し過ぎました。格好いい攻めの一人称が「僕」なのはギャップで好印象。評価下げてすみません。

読後感がとにかくほっこり。当て馬というか主人公の元彼が憎めないキャラで好きだなあ。環ちゃんが頑張っているのがとっても可愛い。セックスなしで心の通い合いとか、急激な成長にお互い戸惑う様をじっくり描いて下さった方が好みだったかも。

何度もサンプルで読み直して結局48時間レンタル。イクヤスさんにしては受けのガチムチ感が少ない作品かも。エロもしっかりしててさらっと読むには良い！ケモミミに人間耳が同居してないのがさすがです。

「屑には屑を」「罪には罰を」「悪には正義を」。現実に起こった事件を基にしているのか、復讐される人間は聞き覚えのある事件の加害者ばかり。主人公である彼ら「復讐屋」が代行、執行してくれるのは本当に復讐だけなのか。良い意味でも、悪い意味でも。ある程度ぼかした表現にはなっているけれど、バイオレンスな描写が苦手な方は要注意。人によっては爽快、またある人は胸糞。考えさせられる作品です。

商店街の人気者でお金を稼げれば何でも良い、そう思っていた主人公があるきっかけによりフランス料理人になるためへの楽しさに目覚めるサクセスストーリー。荒唐無稽な表現が多々ありますが、分かりやすい表現や設定も相まって漫画だからと納得できれば読みやすく面白い。伏線はとてもわかりやすいし、ここで終わり！？という物足りなさも若干感じるけれどとても綺麗にまとまっていると思います。グルメ漫画としてはフランス料理の描写も美しいし、豆知識も知れるし大満足です。

コンプレックスだったもの、だけど大好きだったものを、けなされて罵倒されて、だけど認められて大切にして努力していく主人公凛くんとその仲間BEATMEN達の物語。単行本が発売された当時……15年前以上に1、2巻だけ読んだことがあったけれど先日偶然にもタイトルを見つけて懐かしさを感じ購入、一気読み。終盤は尺の問題か伏線の回収がおざなりにも感じますが、「BEATMEN」の在り方を思うと良いラストかな、と。途中のボイスレンジャー編が大好きです。

オムニバス形式のファンタジーな短編集です。連載形式で読みたかった気持ちもありつつ、このお話はこれで良かったのだと思わせてくれる読後感でした。童話にちなんだ各物語にからめて、過去や伏線も綺麗にまとめられています。しっかり体格でうさ耳のサキムがとっても格好良かったです。うさ耳と人間耳が同居していないのも高評価。きっと不意に読み返したくなる作品です。

作者さん買いです。農家の灰慈×ハーフの心でまるまる一冊。登場人物が皆生き生きしていて読んでてほっこりします。大きなトラブルもなく進むのでほのぼの安心して読める作品で、後日談の女の子のお話もとても良かったです。続刊予定なのか回収されてない伏線や、設定が生かしきれてないのがちょっと勿体なかったかも。それと好みの問題なんですが、攻め受け逆だったらなあと……。表情の描写は相変わらず素敵で、絵柄は大好きです。