azureさんのレビューリスト　

感性は面白いと思います。ただ、漫画らしくない。キャラが走っていても歩いていてもキャラの重心が後ろにあるため、動きや体重（重さ）を感じられない。アップのコマといい、どのコマもストップモーションのようなコマばかりです。コマとコマの間の動きがイメージできないから、どれもぎこちなくコマ送りのように見えてしまいます。昔よく出版されていた、アニメのセルコミックを思いだしました。

他の方も書かれているように、絵の劣化が激しいです。これは、実は「風の都の師弟」のころから感じていました。でもそのときはまだ時々だったのですが、「金緑の谷に眠る竜」で増加して、今ではかなりのコマで悲惨な状態になっています。書き込みが少なく、（トーンをあまり使われない画風なだけに）どのページも白さが目立ち、ページによっては本当にまるで別人が描いているよう……。コロナの影響で、漫画家さんはアシスタントが集められず大変な状況だと聞きます。特にデジタルでない、昔ながらの手で描かれる漫画家さんは。そのためなのかな、と思っていますが、このままが続けば読み続けるのは確かにつらいかも……。

昔から小池さんの絵が好きで、作者買いです。２巻時点では敵の目的等はわかりませんが、だんだん全身が見えてくるにつれて餓獣が何かは想像がつきました。怖さは変わりませんけど、２話のあれは伏線だったんだな、と思ったり。誰がなぜこんなことをしているのか、この先を読むのが楽しみです。

他生物とかけ合わせるところは「テラフォーマーズ」ですが、女子高校生メインなあたり、「アラクニド」や「キャタピラー」を思い出しました。正直、もうこの手の動物うんちくによるバトルはおなかいっぱいで、１巻途中で読む気が失せました。でもそれはわたしの個人的なものなので。絵は上手だと思います。不要なパンチラやらエロが無駄に多いのが興ざめですが……。

打ち切りかと思っていたらそうじゃなかった！　第二部の前に、弩と堕を書かなくてはいけなかったのですね！　弩と堕とこれが合わさって、第二部開始。すごく楽しみです！

出版関係（印刷所）に勤めるヒロインと、その上司との恋、男装（女装）するお貴族さま。キャラ関係がそのまま「レディー・ヴィクトリアン」の焼き直しとしか思えない……。

亜藤潤子さん、あもい潤さん、厦門潤さんと、ずっと読んでいて、好きな作家さんです。画力あるし、キャラもストーリー構成も魅力的。もう少女漫画は描かれないのでしょうか。それが少し残念です。

最終巻まで読みました。これ、理屈おかしくないですかね……。与平の両親は先に死んでいて、彼らを弔わなかったから地獄へ落とされたわけですが。主人公たち若者は不信心だから地獄へ落とされて、改心して両親を弔ったら地上へ戻される、という理屈のために地獄で殺された両親は、じゃあ何だったのでしょう？　彼らには改心する機会も何も与えられなかったし、主人公たちが不信心であるというだけで地獄で殺されるだけの存在だったんですか？　かなり納得のいかない理屈でした。あと、小池さんはかなり好きな漫画家さんなので、オリジナルを描いてほしいところです。

１巻がなかったらそこから先を読まなかった。だからこの方の構成力のすごさを感じる。漫画家としてのテクニックも感じる。が……わたしは彼女が違うと感じた編集者たちの意見が正しいと思う。なぜなら、その編集者たちは、「読者と向きあっている」「読者のことを考え」「読者を見ている」から。でもこの作者さんは、自分の父親と母親しか見ていない。２人に伝える手段として、漫画を使っている。「読者」を見ていない。ほかの漫画作品は、読者を意識されているかもしれない。だけど、この漫画に限ってはただの道具。主に父親に向けてだけの。そんな物を読者が見せられて、どうしろというのか。専門器具と万能器具。はっきりと使用用途が違う物を渡されているのだから、とまどうしかない。読者を向いていない、両親に向けてのものなら、自費出版、同人誌で出せばいい。究極、２人にだけ原稿を渡して読ませてもいいか（それだとこの父親は読まないかもしれないが）その手段に雑誌という場を使われ、読者を巻き込んだことがひたすら不快だった。こちらを見てもいないくせに。

絵はきれいだし、キャラも味があると思うのですが、失恋で自分を振った相手に迷惑をかけたくないっていう理由で飛び降り自殺しようとするって、どう考えても自殺するほうが相手にとって大迷惑で、その時点でもはや内容破綻してキャラ崩壊しており、そこが気になって入り込めませんでした。