気難しい救急隊員さんのレビューリスト　

色々な人が言うようにとにかく熱い漫画です。この漫画の特徴は、主人公が一足飛びに成長しないところです。最近よくありがちなピンチになったら突然覚醒みたいなものは一切ありません。主人公はサッカーの世界ではエリートですが、カバディの世界では初心者なので、長く続けている人達の前に何度も跳ね返されます。しかし何度も挫折しても立ち上がり、自分の弱点を冷静に分析して少しずつ成長していく過程に感心し、一勝の感動が格別なものになります。熱いだけでなくギャグパートも面白く、作者の溢れるセンスが感じられます。今一番熱いスポーツ漫画を是非皆さんに読んでもらいたいです。

ネギま！で萌えをやりきったので、今度は燃えをやりたいと連載開始時に赤松先生が意気込みを語っておられた通り、序盤は恋愛要素は少なく、ファンタジー冒険ものとして描かれています。しかし途中で突然方向転換し、ヒロインが大量に登場し、いわゆるハーレムラブコメ色が強くなり、方向性がブレて迷走しはじめます。現在はシリアスなバトルファンタジーがやりたいのか、ラブひな的ハーレムお色気ドタバタ劇がやりたいのかわからず、世界の命運を賭けて戦っているのに頻繁に登場人物が全裸になってイチャつきだすというシュールな状態です。ネギまのファンでしたが、正直ついて行くのがキツいです。あと、赤松先生の絵は綺麗なので、やたらと裸身が出てきますが全くエロさを感じず、お色気マンガとして見るのは厳しいです。

ほかに例のないスポ根マンガです。スポ根とはいっても安易な必殺技や精神論は一切ありません。体格的に圧倒的に劣る主人公が、相手の苦手な球種やコースをとことん研究し、場合によっては精神的に揺さぶりをかけて相手の実力を発揮しにくい状況に追い込むなど、戦略という点に焦点を絞ったストーリーはとても面白いです。主人公が負けることも多いので、最後までどちらが勝つかわからないスリリングさもいいです。

進撃の巨人というブランドにあやかっただけの作品です。どこかで見たことのあるようなテンプレなストーリーで、よく言えば無難、悪く言えば陳腐な展開が延々続きます。何も考えず読めばそこそこ楽しめると思いますが、読んだ翌日には内容は全て忘れているでしょう。進撃の巨人が大好きで、そのキャラが登場していさえすればそれだけで満足という人以外にはお薦めできません。

星5つ、なのは5巻くらいまでです。その後は急降下します。いわゆるデスゲームものですが、SNSに絡んだ人間関係のトラブルや炎上、かまってちゃん等のあるあるネタがうまく表現されていて、展開がとても面白いです。・・・ただし序盤は。この作品の面白さは、ネットに絡んで残酷になる人々の理不尽な暴力に対して、主人公達がルールの盲点を突いたりと頭脳で対抗するところにあります。しかし途中からネタ切れしたのか、暴力に暴力で対抗したり、精神論で強行突破したり、伏線を無理やり回収したりと雑な展開が続いていてとても残念です。