獣人シリーズ5冊目で初めて、王子殿下など国の中枢人物が登場です。熊神父とどう関わっているのか、ワクワクしながら読みました。過去作の登場人物たちもチラホラ出てきて、楽しめました。

ヒーロー側からすれば色々事情があり、溺愛に足る心情もあるのだけど、流されるままに愛されるヒロインが頼りなく、あまり私の好みではなかったかな。

近年よく見る異世界召喚もの。ですが、あまいご都合主義の展開がいっさい無く、虐げられ心を無くして生きていた主人公が、自分が召喚された訳を知りその根源となった人物から愛情を向けられる…。彼女の複雑な心境が丁寧に書かれて、簡単になびかないところに共感もできて読み応えがありました。恋愛展開が殆ど無いので、恋愛小説というよりライトノベルっぽいです。

作者買いです。いつも複雑な事情を抱えたヒロインが出てきますが、今回の曲者は子供でしたか! みつ君とヒーローとでヒロインを溺愛という感じですね。みつ君のキャラが濃すぎて、御曹司のヒーローが霞んでみえます(笑)

作者買い。今回も一筋縄ではいかない事情を持ったヒロインが、溺愛ヒーローに落とされていって楽しかったです。

これでもかと言う程ヒロインが苦難に陥れられます。彼女がとうとう心折れた時には、涙を誘われました。最後にはヒーローが頑張ってハピエンですが、ハラハラしました。ヒーロー目線の場面もあって感情移入しやすく、面白かったです。

ヒーローの歪みっぷりが中なかです。ヒロインはそれを知ったとしても、受け入れそうですが。従順で健気そうにみえて、実は頑固で無意識にヒーローを振り回してるヒロインが1番強いのかも。

書かれているあらすじよりずっと深い内容で、面白かったです。

悪役令嬢に転生したはずが… 断罪の場面で別の王子にプロポーズされて救出されるのは面白い展開ですね。絵も少々幼いですが、綺麗です。

現在と高校生時代の過去が交互に出てくるのですが、過去部分はもう少し分量を減らして前半から中盤くらいまでにまとめたほうが、読みやすくなるのではと感じました。高校時代のエピソードがあるから、後半の展開がとても切なく感じるのですけどね。ハピエンで良かったです。ヒーロー側の視点も読んでみたかった。