頁数の割にお話のボリュームがあった感じかなと思います。真面目で真っ直ぐで甘えるのが苦手なヒロインと、無愛想というか顰め面がデフォで不器用なヒーローの、二人の関係が穏やかな空気で進んで行くお話でした。ヒーローも真面目故に、恋人からすると『ちょっとそれはアカンやろ』ということを、仕事だからみたく淡々としてて、流石に鈍感過ぎてヒロインが可哀想でした。ヒロイン元彼とその元彼を奪って行った頭が悪くて色々とユルユルな最悪性悪女には、心底ムカつきましたし、もうちょっと厳しめの罰を与えて欲しかったとすら思いましたが、まぁヒロインとヒーローの前から消えてくれたことは良かったと思います。細かいことを言えば、元彼の変わり様とか、最悪性悪女の所業がここまで酷いことになる前にどうにか出来んかったんかとか、ヒーローはどこでそんなテクニック身につけたん？とか、気になることも多かったですが、お話としては良かったのではないでしょうか。ヒーローとヒロインの性格の特性上、溺愛やデロ甘はほぼありません。ヒーローの脳内では溺愛してそうな雰囲気ですが、殆ど外に出てきません。そういったお話をお求めの方は、ちょっと合わないかと思われますので、サンプルを確認されることをオススメします。表紙のイラストはヒーローもヒロインもめちゃくちゃ好みなので、中にイラストがなかったのは残念でしたが、表紙だけでも凄い素敵でした。ありがとうございました。

ヒロインよりもヒーローが印象に残るお話でした（笑）。ヒロインが好きすぎて、一喜一憂どころかヒロインの言動で情緒不安定になるヒーロー。そしてそれに巻き込まれる王子殿下。殿下の独り言が私はとても好きでした。殿下ガンバ！と自然と言いたくなりました（笑）。殿下が色々不憫だったので、幸せになって下さったのは本当に良かったなぁと。あれ？ヒーローとヒロインよりも殿下が1番印象に残ってますね。あはは。

ちゃんとハピエンで良かったです。が、何だろう…読後にもう1回読みたい！とか面白かったー、という余韻がなかったなぁと。ヒーローもヒロインもあまり好みではなかったからかもしれません。すみません。

しっかり者の子爵令嬢ヒロインと野性味溢れる伯爵（なりたての元平民）ヒーローの、可愛らしいお話でした。イラストからは想像できない不器用ヒーロー。表紙のヒーローを見た後だと、嘘でしょ？と言いたくなるほど女性に慣れていない所とか、ストレスで山に里帰りとか、強面なのに可愛いヒーローでした。ヒロインはそんなヒーローに振り回されながら、無自覚にヒーローを振り回してもいて、本当にお似合いのお二人でした。ヒロインに危険が迫りましたが、ヒーローの野生の勘（笑）であっという間に助け出され……。ヒロインにとってはもう一つ恥ずかしい事件がありますが、大きな事件はそのくらいで、二人の気持ちとか絆がゆっくりと結ばれていく過程を見せて頂いたな、と言う感じです。ちゃんとハピエンです。素敵なお話でした。

誰もが知るであろう『シンデレラ』の世界を舞台に、シンデレラではなくその姉をヒロインにしているということで、気になって読んでみたのですが、とても面白かったです。意地悪な姉は意地悪ではなく（1番上の姉と共に）、ただただだらしの無いシンデレラをまともにするために口うるさくして、無理やりにでもやらねばならないことをやらせていただけ、という、外から見れば『意地悪』にも見えるという、無理のない設定ではないかなと思いました。シンデレラの王子がまたどうしようも無い阿呆だったのが、ヒロインのセリフで『あー、そう言われればそうだわ』とハッとさせられたりもしたり。子どもの頃に読んだ『シンデレラ』のままの印象で今作を読んでいたので、ちょっとビックリしました。何故気づかなかったんだ自分、という感じで（苦笑）。ヒーローはなかなか一筋縄ではいかなそうな方で、これは好き嫌いが分かれるタイプかなと。甘やかしてくれるタイプのヒーローが好きな方には、合わないかもですね。愛している人でも一緒に歩むためには自分と同じレベルまで這い上がってこい、みたいなタイプの厳しめヒーローだったので。ヒロインが頑張り屋さんだったから良かったものの、もうちょっとやりようはなかったのかよと言いたくなるヒーローでした。ちゃんとハピエンだったので、ヒロインが幸せになってくれて、本当に良かったです。シンデレラの王子はもうちょっと痛い目に合えばいいと思いました。

どの物語でも、竜人や竜は番への執着と溺愛が酷いです（全力で褒めてます）が、こちらも例に漏れずに、でした。素敵でした。まぁ、逃避行ですので仕方ない？のかもしれませんが、ヒーローにちょっと言いたい……ヒロインに手を出すのは良いけど、全然良いけど、せめて最初くらいちゃんとしたベッドにしてあげて欲しかったよ？と。最初っから屋外とか、どんだけハードなの！？とおばちゃんは驚きを隠せなかったよ…。まぁヒロインはドーンと受け止めてましたけど。優しくて芯の強い可愛らしいお嬢さんで、これからの二人が周囲が砂を吐くほどのラブラブっぷりを披露してくれる未来しか見えない素敵なお話でした。初期からお互いに香りを感じている描写があったおかげで、読み手には『なるほどそういう関係ね』とわかるので、二人の関係は安心して見ていられました（途中ちょっとゴタつきますが。汗）。イラストも本当に美艶で素敵でした。

いいですねぇ、安定のヒーローの溺愛っぷり。最高です。ヒロインの可愛さと真っ直ぐな心根とおっとりした雰囲気からは想像できない芯の強さに、メロメロでしたね。良き！でした。ヒロインも天然？疑惑がありつつも、物事を良い方へ考える（誤解する？）才能が素晴らしく、ヒーローには有難かったことでしょう（苦笑）。極道っぽいゴタゴタもありつつ、ヒーローのカッコ良さ、ヒロインのカッコ可愛いさ（ヒーローへの思いの強さ？）がよく分かるシーン、すごいお気に入りです。ヒーローのご両親にもちゃんと認められて可愛がられて、ハピエンで良かった良かった。基本、ずーっと甘々ラブラブな雰囲気でお話が進むので、安心して読めました。イラストも可愛いしカッコ良いしで、本当に素敵でした。

ヒーローの溺愛が素晴らしかったです。ヒロインも育った環境に負けず可愛くて素直な優しいお嬢さんで、ほんっとにハピエンで良かったです。お互いの親にもざまぁ出来たようでしたし、ヒロインのお友達のふわふわ可愛いお嬢さんも、ヒーローの親友さんも幸せを掴んで、読後感がとても良かったです。イラストも素敵でした。可愛いヒロインとカッコ良い強面ヒーロー…良きでした！

ヒロインの世間知らずっぷりが凄いですね。いやそう仕向けられていたので仕方ないのでしょうけど。あと元婚約者の見る目のなさと未練タラッタラなのが、読んでて腹立たしいというかムカつくというか。今更何言ってんだよコイツ？となりました。あとヒーローは秘密が多過ぎて全部を知るまではヒロインが可哀想でした。なんで隠すかなぁ、言ってもよくね？と傍から見てたら思いますが、一番下の爵位の方だと思っていたら、実はトップ候補（しかも1位）とか、言えないわなぁ、と。ここまで身分の振り幅が大きい方の出てくる話を読んだことがないので、こちらもヒロインと同じように『は？え？』となりつつ、ヒーローの一途さもヒロインの可愛さも堪能させて頂きました。絵師様も好きな方でしたので、美麗で艶やかなヒーローとヒロインに溜め息が零れました。本当に素敵でした。

自立したヒロイン、良いですね。自己評価が低い故に、異性からのアプローチに気づかない鈍感さも魅力のひとつでしょうが、ヒーローからしたら『頼むから気をつけてくれ！』といった感じでしょうね（笑）。ヒーローも一途で（若干分かりにくいですが）素敵でした。まぁ次期国王ならばこのくらいの腹黒さ（外面の良さ？）は必要だろうなぁとも思いましたが。物語の世界観が『そういうもの』と思えない方（細かい設定が一つ一つ納得出来ないと気になってイライラするタイプの方）は、最初の方で躓くかもなぁ、と思いました。サンプルをちゃんと確認してからお手にされることをオススメします。