ねこままさんのレビューリスト　

原作は19世紀イギリスのゴシックホラー小説です。黒岩涙香が刊行間もない原書を翻訳してリライトしたものが「幽霊塔」として定着し、江戸川乱歩、西条八十等、そうそうたる大家がこの「幽霊塔」をリライトしています。この作品は明治大正昭和の大家と張り合って引けをとらない出来です。漫画愛好者なら、1度は読むべき作品です。

結婚式の最中に、その結婚には異議がある！と申し立てる、「ジェーン･エア」以来の伝統的な手法。物語の王道を行く作品です。ヒーローは金髪碧眼の長身の美男子。淀川長治先生によると、金髪の二枚目はよさそうで案外客を呼べないとかで、ロマンス物には珍しい設定です。

男しかしない不思議な世界。全世界にただ一人の女性（？）は「マザ」と呼ばれ、すべての男達の母でもある･･･未来の地球なので、色々なからくりがあるのですが、幾重にも重ねられた謎が明かされていきます。本格派SFの傑作。

原作は学生時代に読みましたが、源氏物語の同人作品（正式名称は擬古物語）のうち、発想の優れたものという認識でした。内容はあまりレベルが高くない、ということになっていましたが、戦後になって評価が上がりました。登場人物の名前や若君の功績などは漫画のオリジナルです。建物や道具類もよく考証されています。官人の昇進の順番であれ？というところがありましたが、これは原作ですでにそうなっているのかもしれません。欠点をあげつらう気にもなれないほどの名作漫画です。後世に残る作品です。

作者が住んでいた福岡市が舞台。市職員であるレンジャー隊と悪の組織の対決、という肩透かしの設定で始まります。主人公のエクセルは「悪の組織」に所属しているのですが、どうやら人間ではないらしい。レンジャー隊の諸君が市役所の職員として普通に暮らしているところが笑えます。

過激な妖精が歴史に介入して大暴れ！20世紀初頭のウィーンでは、失意の青年を励ますつもりが、あらぬ方向に暴走したりします。大人のためのブラックユーモア漫画で、若い人には分かりづらいかも。

原作はちょっと残念な出来栄えなのですが、コミックスは絵で盛り返しています。豪華絢爛なセレブの生活を表現するのに最適な絵柄。ヒーローとヒロインの性格の悪さが和らげられていい感じです。

このシリーズは全部読みました。これで完結ですが、ヒーローには驚きました。でも性格悪すぎなのが残念。めでたさも中位なり、という感じです。

残念ながら、画が下手すぎて表現力に欠けます。マイナー誌の連載なので、致し方ないとは思いますが、興味があるのは「ベルセルク」の三浦建太郎とその友人だけなので、１冊丸ごとは無駄。１話ずつバラ売り（バラ貸しか？）されるよう希望します。

このシリーズのヒーロー、ヒロインたちを支配しているのは、亡くなったキンケイド氏。巨大な富をなした、傲岸不遜のやり手実業家です。まずは、長男登場。父親に横取りされた（と思っている）元恋人の秘書と1年間仕事をするという無理な要求にどう応えるか？