レビュー一覧

大事件が起こるという訳でも恋の波乱が巻き起こるでもなく、『エーヴィヒトラウム』という名の館と、其処に生まれ生きてきた17才のグレーテルと、幼き日に彼女と出逢ったとき自分の人生を決めた15才のフェリクスの心の触れ合いのおはなしです。「わたしはここにしぬまでいるの。わたしはここでしかいきていけない」という言葉は、少女自身は忘れたいたけれど彼女の運命を表していたのかも。出逢いから再開迄のフェリクスの心情は想像すると切なくなります。グレーテルの心の変化は『妖精のお城』の本来の姿を彼女に再認識させて、"幸せ"とは何かを教えてくれました。

しっかりとしたストーリーです。ヒロインは卑屈過ぎず、ヒーローはしっかりと愛し守ってくれます。でもごめんなさい…。好みの関係で評価を下げました。

特に大きな事件もなくお話が進んでいきます。ヒーローがずっと一途にヒロインを大事にしてきたのが伝わります。好きになった理由が弱い気もしますが、優しい気持ちになれる作品でした。

祖父から父親へと引き継がれ自分の代で完成した屋敷をヒーローに買い取ってもらい、気持ちを理解仕合、無事に結婚できて良かった。若い二人のお話なので、二人がどんな夫婦になっていくのか色んなエピソードとかも読んでみたかった。

初恋からずっと一途にヒロインを思って、守るために努力し続けたヒーローはめちゃくちゃいい男でした。