レビュー一覧

重い。このヒロインの弟が主人公の「欲望の視線」は恋愛がストーリーの中心でしたが、今回は憎悪と許す事というテーマにも重点がおかれ、内容紹介の通り濃厚なストーリーになっています。祖母の悪行、過去に起こったことがさらに明かされどよーんと暗い気分に。物語の3/4(起承転まで)がそんな感じなので読んでてちょっと疲れました。人間のドロドロをがっつり読みたい方向き。軽い気持ちで開いてはいけない。作品自体がダメということではなく私には重すぎたのでこの評価で。

シリーズ一作目に続き、こちらもよかったです。こちらの作品の登場人物たちも魅力的ですが、一作目の登場人物がいい感じで登場してくれたのもうれしかったです。

弟の方を先に読んで、こちらを読んだら、何か、物足りない感じでした。お姉さんの方の苦悩よりも、ヒーローの苦悩がすごくて、なんか、弟さんの方で、お姉さんにもかなりのトラウマがあるって感じでしたが、ページ数のせいか、浅い感じでした。

御堂先生の大ファンです。弟の話を読んでいたので、重いんだろうと思っていて避けてましたが、キャンペーンだったので、読みました。案の定、心が震えて涙が出ました。ただ、弟の話よりは、ヒロインに対する行為は酷くなかったので、よかったです。それにしても、ばばあの悪行がもっと浮き彫りになり、生きている間に直接手を下す人はいなかったのかと、憤慨しっぱなしでした。2人が幸せになってよかったです。

祖母の怨みの所為で、不幸な生立ちの姉弟本来であれば歪んでもおかしくなかった心愛を知って全てを受け入れ許すことができた強さに感服最後まで読んで救われたと心底思いました。

EYES−欲望の視線を読んでから、この、EYES−愛囚の視線を読むといいです。祖母によって歪められた人生を、愛に出会って修正していく姉弟の物語で、こちらが姉の話になります。祖母から受けた虐待などの詳しい内容は、欲望の視線のほうが細かく出ていたと思いますので、それらを把握した上でこちらを読むと、よりよく理解できると思います。内容は本当に深いです。人を許す難しさ。重くて深い内容でした。

総合的には面白かったです。全体的には良く話が練られていて、登場人物の行動の動機なども納得し易いものでした。ただ、あまりにもストーリーが駆け足で、登場人物の心理描写や心の揺れなどが不足しており、少々消化不良気味に感じます。もう少しじっくり書き込んで欲しかった。詳しく説明しているあらすじを読んだような感じがしてしまうのが残念です。