レビュー一覧

雑誌のおすすめコーナーで見て読んだのですが、短編集とは知りませんでした。思っていたより深く考えさせられるラストの話が多くて良かったです。考えさせられる、読んだ後自分の中に何かが残る漫画です。

表紙もタイトルも、読みたいと思わせるものではなかったのですが、噂の『バジリスクの道』が入っていたので読みたくて購入しました。なんと！こういうお話だったのですねー、てっきりSFだと思ってました(いやある意味SFなんですが)。そして印税の3分の1を難民支援に充てられるだなんて。ますますこの作者様が好きになってしまいました。シリアもイエメンも南スーダンも、アフガンもコンゴもレバノンもそしてガザも、日本のメディアは大して報道しないし、大して話題にもなりませんよね。病人や子供達が爆弾で殺されてるのを知ったのもネットでした。『バジリスク』は日本を舞台に描かれているところに作者の想いが詰まってると思います。読者の大半がアメリカ人だったら舞台はきっとアメリカになっていたでしょう。

作家さんのファンです。表紙が印象的なのと表題作のあらすじから、エグくて切ない作品を想像して読んだので、あっさりした結末で拍子抜けしました。ただ、収録されているのは3作で表題作より残りの2作のほうが良かったです。皆さんのレビューにもありますが、「バジリスクの道」は娯楽作品というより作家さんの意欲作で、善し悪しはともかく刺さります。(自分にとってはもちろん善しです。)ちょっと高いかもしれませんが、その価値は十分にあります。

決して楽しい話ではありませんでしたが、メッセージ性の強い３作でした。

例えば「可愛いは正義」とか「やられたらやり返す」とか、正直ものはバカをみるような世の中で、それでも人間の欲とかどうしようもない弱さの中でも大事なことを見失わない。そういうことが分かる本。

絵が魅力的で、ヒリヒリする内容が余計に際立ちました。表題作も怖かったけど、３つ目の話が近い将来にあり得そうで、すごく怖かったです。

何度でも読み返し、考えさせられます。この作家さんのファンになりました

短編3つが読めます。1話目と2話目3話目の振れ幅が大きすぎて驚きました。歴史や戦争の話は捉え方も人それぞれですし、私は表紙から全て1話目の様なものを期待していたので…予想とは違いましたが世界観は楽しめました。

短編集です。どのお話も心がザワザワするのにうまく表現できなくて、ずいぶん以前に購入したのにずっとレビューが書けずにいました。でもいまロシアとウクライナの問題が起きて、ほんの数か月前まで「普通」だった美しい街があっというまに「戦場」になりました。政治的なコメントは避けますが「バジリスクの道」は漫画の中だけのことではなくこんな風にある日突然現実になるんだと。日本だって例外ではないのです。この悲しさと虚しさをどう伝えたらいいのか、それをこのようなコミックとして表現できるのはすごいことだと思います。国同士のことであっても、個人の心の中でも、早く平和が訪れますように。

三作品ともそれぞれに考えさせられるものがありました。最後のお話なんかは遠くてでもきっと近い、そういう気持ちになりました。