レビュー一覧

何重にも仕掛けのある物語でした。ヒーローが結構酷い、というか壊れてるので、それがいい、または許容できるという方向けです。

山野辺りりさんの作品ということで、購入しました。

前半はサスペンス的な雰囲気もあってドキドキしました。でも、後半は妙に説明的に感じる文章が多くてあまり気持ちが乗らなかったです。真相が判明してめでたしで終わらなかったのはよかったですが、記憶の中の事実が二転三転しすぎて、心情がつかみづらかったです。最終的にヒロインが壊れた要因もわかりにくかったので、ヒーローがそうせざるを得なかった過程(ソーニャ文庫サイトの番外編で描写されてましたが、)は本編で丁寧に描写して欲しかったです。話が進む程、ヒーローはヒロインを守る事より自分の欲求の方を優先させている感じがして残念に思えました。画策するにしてもヒロインを危険な目に合わせない様にしてほしかったし、守る事を最優先に考えて欲しかった…。ヒロインを好きになった切っ掛け描写も無く、今悔恨する事がそれ？という思いもあり、ヒーロー視点の描写はイマイチ心に響きませんでした。全体としては面白くない事もないのですが、全般的に共感しづらい内容でした。あと、この作者さんの別作品、『水底の花嫁』と『みせもの淫戯』でもこういうのあったなとか思えるところがチラホラ。ヒーローが記憶絡みで真実を隠そうとする所とか、ヒロインが凌辱され、出口の見えない境遇に苦しむ所とか、似たような要素がどうにも気になりました。

読み終わった後、あっ、そうゆうことなのね、とゆう感じでした。監禁というタイトルがついていますが監禁というより軟禁でした。物語はヒロイン目線で進まれていますが、ヒーローのヒロインに対する愛情が切ないくらいに伝わってきます。ヒーローのダークな部分も垣間見れて、まずまず面白かったです。

今回はミステリー要素が含まれていたのが新鮮でした。前半はゆっくりと丁寧にヒロインの監禁生活が描写され、物語に引き込まれていきました。そしてヒロインがアクションを起こしたことで、第一の真相に辿り着いたときには身震いしました。ただ、その後の展開が二転三転と非常に慌ただしく、置いていかれている感じが最後まで抜けませんでした。構えていたラストの落ちもソーニャさんとしてはかなりまろやかで拍子抜けでした。前半が良かっただけに何だか残念です。

監禁しているのは夫でした。毎日、妻を恥辱する日々。他に方法はなかったのか。なかったから、こうなったんだろうけど。人は耐えきれなくなると、記憶を書き換えて自分を守ってしまうんですね。妻を守るヒーローの執拗な愛と腹黒さがソーニャだなと思いました。

ヒロインは監禁され、仇だと思っていた人が実は愛する夫で、夫は妻を守るために手段を選ばず、というダークなお話でした。ヒーローは最後、決して妻を離さないために仇を生かしておいた執着心に驚きました。読み始めから、終わりがこうなるとは思えないどんでん返しの多い展開でした。イラストはとてもきれいでした。

絵師さん買い。今回も美しいイラストで大満足です。話はかなりシリアスな、これぞソーニャという感じです。

記憶喪失の過保護系ストーリーでした。何を言ってもネタバレになっちゃう(笑)ヒーローの回り回った加護によって弱いヒロインは振り回される…的な？ヒーローの回りくどい守り方ににヤキモキしました。最終的にはヒロインの成長をもって解決します。個人的にはヒーローのダークな部分がもっと見たかったなー(笑)

作者・絵ともに好きな方だったので、即決してしまいました。 大人になりきれないまま結婚したヒロインが、最後は少しずつヒーローに並びたてれるほどに大人になった内容でした。 途中で大体これで完結だよなと思ったら、結構なページ数が残っててあれ？ってな感じでした。 途中でヒーローが怪しいなと思ったのですが、まさかここまでとはというぐらいヒーローが悪だったことはちょっと残念な感じでしたかね。 私的には特にイラッとすることもなかったのですが、内容的には好みが分かれる話だと思います。