レビュー一覧

ひきと独特の世界観はある。けど好きかと言われるとそうではない。昔から彼女の作品を目にしてきて基本、ハッピーな結末はおおよそ見たことはないし、終わりかもこんなものかなあ、彼女らしいなあ、と思わせる。ただ、なかなか代替のない存在感のある作者だとはつくづく感じる。

驚きの結末。現実はこんなものなのかしら。。夢物語でないところがさすがこの作者さんですね。主人公二人とも、自分を見て愛して抱きしめて！承認欲求激しくないですか？相手に愛してもらい自分を認められる女の業を感じます。あえて極端に描かれている気も。私はジェンダーに対してボーダーな人間なので、自分だったら女装の彼を攻めたり、男になったり女になったりもっとお互いの立場ひっくり返しまくって楽しむかなあ、、と思います。人間どっちかにおさまってないと不安なんですかね。同じものを見て感動を分かち合える人って友達でも貴重だと思います。

女装が趣味の男性との恋愛という、斬新な設定！話の展開が少しグダグダで、読んでいると疲れを感じましたが、好きな人は好きな話かも。

主人公よりヒデアキの方が感情移入できた。ヒデアキのその後が気になる面白い作品でした。

登場人物みんな好き。ヒデアキとうまくいかなかったのはせつないけど、リアリティがあってこの結末でよかったんだなと思えました。

人間の多様性について、考えさせられました。深く心に残る作品です。

男女のどうにもならない事を、こんな風に表現出来るなんて。これからの時代、こういう事が増えていくのかなぁ。それだけじゃないんだけど…そうなんだけど無かったり、噛み合わないのは辛い。それが原因で別れる人も多いのも事実。にしても内田春菊さんは、面白い。

バブルの時代を感じさせるタッチが懐かしくて面白かったです！結局ヒーローが入れ替わっちゃうのがびっくりしました。

電子化されたのが2017年で発表されたのは90年代ぽいです。それ故、ゲイ＝女装（女性になりたい）など性認識用語が誤った使われ方をしているので古い作品だと念頭に置かないと読みづらいです。性自認、どの状態でタチ役•ネコ役をしたいかされたいかで揺らぐ男女二人の物語です。仕事の志向（お嫁さん候補の採用があった時代）が総合職•専門職だから、ショートカットだからとタチの要素が無関係とは今の時代分かることだけど、悩ましい時代もあったのだなと。男女ともに迷いながらも行動する性質なのでスピード感があります。今だったら女装子さんとボーイッシュさんが出会ったけれど、性の不一致で別れました。女装子さんは女装するゲイかトランスセクシャルかは明らかではないもののネコ系と分かったようです。ボーイッシュさんは女装子さんがネコ系と自覚して良かったと思うとともに思いよらなかった自分の女性性（ベッドではリードされたい）について実感し寂しく思うのでした。詳しく書いてこの位なのかな。

体は男性だけど心は女性の人の恋愛に関する人生をリアルに描いているのではないでしょうか。私の友人にもそういう子がいて、今でこそカミングアウトしてのびのびと男性に恋をしていますが、学生時代は女性と交際していました。男性は女性と交際しなくてはいけないと、いろいろ葛藤があったのではないでしょうか。この人物を主人公にしなかったことは、この作品を重くし過ぎなくて、読みやすくて良かったと思います。男女の関係に心の繋がりだけでなく、体の関係が必要であることも人間のリアルなところで良かったと思います。少々求め過ぎな気もしましたが(苦笑)読後幸せな気持ちになるようなお話ではありません。