レビュー一覧

まず「叔父と姪」という設定を期待して購入すると非常にがっかりします。この手の設定は禁断故の葛藤や障害が最大の萌え要素だと思いますが(少なくとも私はそこが重要です)この話の二人にはそういった葛藤は微塵も感じませんでした。ヒロインはただ口先だけで私達には血の繋がりが…なんて言うだけで薄っぺらいですし、叔父様に至ってはそれに何か問題が？という態度。兎に角ヒロインと叔父様が何故そこまでお互いを求め合うのかの理由やエピソードがないので、全く感情移入も応援する気にもなれませんでした。それは登場するキャラクター全員に言えるのですが、人物のバッグラウンドをまるで感じない、そういったエピソードは悉くないのが原因かと思います。寄宿舎で思春期時代を過ごしたというヒロイン、ヒロインの婚約者候補に何かしたのか？と思われる叔父様、とんでもない恥をかかされるヒロインの婚約者が何故ヒロインとの結婚を望むのか、ヒロインの父であり叔父様の兄である兄弟の関係性。それぞれ具体的にエピソードがあれば或いは楽しめたのかもしれませんが、この物語の中ではただその役割を振られた叔父様、婚約者という肩書きだけがあるだけでした。いつ物語が始まるのか、何か事件があるのかと読み進めていましたが、終盤にもしや…これが？？？という展開と強引でお粗末な終幕に空々しさしかありませんでした…。せめて叔父様に萌えられれば良かったのですが、この叔父様はただの子供です。中身がなくてこの物語同様がっかり仕様。エッチは目新しさもなく、もう覚えていないです(別に特殊な性癖の持ち主ではありませんが、ソー◯。文庫をお読みになる方には物足りない程度かと)チケットを無駄にした…と後悔した気持ちが数日続き、モヤモヤが収まらないので一度も書いたことのないレビューを書くことにしました。本当は★もつけたくありませんが(萌えたかどうかは好みなので置いておいて)イラスト自体は綺麗なのでその分と、あまりにも可哀想なヒロインの婚約者(挿絵にも登場しますが普通にイケメン)の為にひとつだけ。

幼少期より好きだったヒーロー(叔父)に媚薬を飲まされ、身体の関係を結んでしまったヒロイン。両親に決められた婚約者もいるのに、叔父に迫られ禁断の関係を持ってしまうという近親ものストーリー。作中Hシーンが多めだが内容が物足りない。設定はいいのに内容不足、ラストも残念だった。

作者さんの和物が好きでよみましたが、この作品はあまりにも現実離れしていてはいり込めませんでした。