とある昼下がり、ミットフォード家の館に招待された准男爵令嬢ジェインは、見目麗しき長男ロバートに出会った瞬間、妙な懐かしさにとらわれた。彼はイギリスに帰ってきたばかりで会うのは初めて。それなのに、どうして?21歳にして恋すら知らぬ無垢なジェインは、これが世に言うひと目惚れなのかと戸惑う。だがそれは、時空をも超えた奇妙な愛の始まりだった。
放蕩子爵ジュリアンは父の希望で身を固める前に“遊びおさめ”を企てる。愛人を連れて親友の別荘へ行き、快楽のクリスマスを過ごすのだ。特定の相手がいない今、狙うは難攻不落と噂の踊り子ブランチ。彼女ならさぞや楽しい時を過ごさせてくれるはずと期待に胸をはずませる。まさか彼女が、病の妹の薬代を稼ぐために聖職者の娘という身分を隠して舞台に立っているとも知らず……。