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高校生の智也くんとデパートガールのわたしは、八つの歳の差がある「幼なじみ」。
ずっと小さな弟みたいだったのに、ふと気付くと、智也くんの背はわたしよりずっと高くなっていた。
「ふーちゃん、今度の休み、ヒマだったらメシ食いに行こうよ」
「嬉しいんだけど、その日は約束があって……ごめんね」
「なに? カレシとデート?」
否定も肯定もせず、あいまいに笑ってごまかす。
わたしの恋人は、わたしだけの人じゃなかったから。
「ふーちゃん、ヒマだろ? 出掛ける気配、ゼンゼンないじゃん」
デートをドタキャンされて落ち込むわたしの前に、差し出される智也くんの手。ここで智也くんの優しさにすがってしまうのは、絶対にズルイ。間違いなくズルイって、わかっているのに。
「行こう、ふーちゃん」
智也くんが、手を差し出す。
まだ大人じゃない、でも、もう子供でもない男の子の手。それは、あの人の手とはゼンゼン違う、わたしだけに伸ばされている手だった……。
※こちらの作品にはイラストが収録されていません。
ずっと小さな弟みたいだったのに、ふと気付くと、智也くんの背はわたしよりずっと高くなっていた。
「ふーちゃん、今度の休み、ヒマだったらメシ食いに行こうよ」
「嬉しいんだけど、その日は約束があって……ごめんね」
「なに? カレシとデート?」
否定も肯定もせず、あいまいに笑ってごまかす。
わたしの恋人は、わたしだけの人じゃなかったから。
「ふーちゃん、ヒマだろ? 出掛ける気配、ゼンゼンないじゃん」
デートをドタキャンされて落ち込むわたしの前に、差し出される智也くんの手。ここで智也くんの優しさにすがってしまうのは、絶対にズルイ。間違いなくズルイって、わかっているのに。
「行こう、ふーちゃん」
智也くんが、手を差し出す。
まだ大人じゃない、でも、もう子供でもない男の子の手。それは、あの人の手とはゼンゼン違う、わたしだけに伸ばされている手だった……。
※こちらの作品にはイラストが収録されていません。