華道において由緒ある紫月流の次代家元候補として日々修行を積んでいた、家元の孫息子である紫月絢は、自分の生け花に決定的に“何か”が足りないことに気づいていた。ひとつ違いの弟・幹の才能と常に比べられ、劣等感を抱える日々。そんななか、己のふがいなさを祖父に叱責され家を飛び出した絢は、道端で花束を配っていた花屋の店主・日向柊二と出会う。飾らない柊二の人柄に惹かれた絢は、柊二の花屋に通うようになるが、ふたりの間には思いもよらない因縁があった――。
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