街中が冬のイルミネーションで輝いていた。恋人達の季節に雪奈は初めての恋をした。皆よりはかなり遅い、初体験かもしれない。女子大だったせいもあってなのか、素敵な男の子と出会うチャンスはなかった。社会人になり、入社した会社で雪奈の教育係になった小池先輩に恋をしてしまった。優しくて、イケメンの小池先輩は会社中の女の子の人気の的、しかも、恋人が上場会社の社長令嬢だと言う噂が……。冬の始まりの、雪奈の誕生日に、小池先輩が渋谷の文化村の裏手にある隠れ家風の高級居酒屋に連れて行ってくれた……雪奈は決心をしていた。今夜こそ……。

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奏は父親の会社の秘書部に所属。人にモテる、と言う妙な特技を持っている。最近では父親と会社のことが頭を巡って眠れない。ある日、「倒産する」と言う電話を受けて、かなりの大打撃。借金は三億円。どうする！？　と思っていたら、船上パーティーの招待状を発見。送り主は、先代が可愛がっていた、一寸木貴志と言う、一寸木グループの若きオーナー。
チャンスだ、と思い、三億の融資を頼みに行くが、ルーレットで勝負しましょう、と言われる。賭けるものは「お互いの全て」。でもこの美形、実はかなりの二面性を持つ、恐い男！　父親の代わりに奏が最後の勝負に出たところ、……勝っちゃった！　貴志が跪き、「これからはあなたがオーナーです」と言い出して……。
新オーナーになったのに、貴志から来るわ来るわ、セクハラ地獄！　社員に見られないかドキドキの、新オーナーと秘書、秘書はベッドの中では下克上！

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陸は普通の高校生。そのはずだったのに、夏休み直前のある日、転校生飛鳥がやってきた。何と飛鳥は大企業の御曹司。何故か飛鳥に気に入られてしまった陸は、キスされてしまう。
悲劇はそれだけではなかった。家族は陸を残し、海外へ。一人残された陸。そんな陸に手を差し伸べたのは、飛鳥だった。家のなくなった陸の面倒を見てもいいと言う飛鳥。しかしそれには条件が……。
「執事になって。ボク専属の執事に……」
それは悪魔のささやき。それでも行き場のない陸は、飛鳥の手を取るしかなかった。「好き。愛してる」陸にささやき続ける飛鳥。陸も段々と飛鳥を意識し始めるのであった。
しかし、飛鳥には陸の知らない愛する相手が……？　あんなにいやだと思っていたはずなのに、陸の心は乱れ……。もう一度振り向いて欲しい。そう思うのに、飛鳥は陸を見ようともしない。陸は初めて知ったのだった。飛鳥への本当の想いを……。

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山口春菜は広告代理店で営業の仕事をしている二十九歳になるアラサ―のOL。焦り始めた婚活に気合いを入れてきた結果、いつの間にか、お付き合いしている男の人の数が五人になってしまった。しかも、五人とお泊まり愛をしている。
「毎晩、凄く気持ちよくしてもらえるって最高に幸せだよね」
と、会社のお局様で春菜の盟友の茜先輩はマジ顔で言っていたことがあった。アレの相性がとても大事。春菜にとって一番大事なものはアレの相性。生物人類学の学説には相性がよい男女は長生きするらしい。きっと仲良く暮らしていけるということなんだろうなと、春菜は思う。だから、上手な男が理想的。それまでは春菜は、男はイケメンだとか、良い大学を出ているとか、年収が多いとか、出来れば親が金持ちとか、そんな基準で選んでいたから、なかなか出会いがなかった。男の人は表面だけじゃ分からない。実際に寝てみないと、本当のところ、お互いの相性がいいのか、性格がいいのかどうか分からない。
『男って、寝てみないと分からないよね』
この、茜先輩の口癖には重さがある。マジそうだと思う。春菜は、今までの保守的な自分の考え方を変えて、少しでもいいと思った男と、手あたりしだいに、寝てみることにした。

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