ぼくらの真実

著者青山繁晴

ジャンル：政治・社会
長さ：164ページ
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作品詳細

著者青山繁晴
発行扶桑社
ジャンル政治・社会
紙初版日 2014年12月25日
レビュー
1.0 （1人） 1

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拉致問題、北方領土問題、竹島問題、赤珊瑚密漁問題等が解決しないのには致命的なわけがある！

これらの問題はすべて「根っこ」でつながっている。なぜ拉致被害者を北朝鮮まで奪回に行かないのか？　なぜ中国漁船の赤珊瑚密漁を指をくわえて見るだけなのか？　超ロングセラー『ぼくらの祖国』。その原点中の原点をえぐり出す、いわば正編の登場。

これは、長く語られなかった真実について、いちばん根本的なことどもに絞って記す書物です。アジアに立つわたしたちの日本はかつて外国と戦い、アメリカに対して史上ただ一度きりの敗戦を喫しました。永い歴史で初めてのことだっただけに、そのあとずっと、老いも若きも思い込まされ、思い込んできたことがあるのではないか。それを放っておけば、いつまでも続き、子々孫々までを誤らせるのではないか。これまでの立場や世代の違いを乗り越えて共に真っ直ぐ考えてみることだけが、この書物の目指すところです。―――――本文より

（※ページ数は、680字もしくは画像1枚を1ページとして数えています）

1 0 踊る工芸家旺盛な自己顕示欲とトンデモ発言で有名な著者。感性が独特で、文体は概して情緒的で感情的で感傷的で仰々しい。そして論理飛躍も多い。著者によると「日本は国民が北朝鮮に拉致されても9条があるから誰も取り返しに行けない」らしい。小泉元首相が現憲法下で5人の拉致被害者と共に帰国し、やるべきことをやれば取り戻せると証明したにも関わらず、である。著者にとって5人は日本人ではないのだろうか、不都合な現実が見えない人なのか、それとも単に日本語の表現力や論理的思考力が稚拙なのか。出版社サイドも「先生、この日本語少し変です」と指摘してあげれば良いのに。トンデモ右翼思想に被れた人々が書く文章は、得てしてこのような論理的整合性に欠ける。他にも、著者は「北朝鮮と戦争すれば拉致被害者が戻って来る」と夢想しているようだが、これはネトウヨ特有の平和ボケした脳内お花畑が生み出す典型的な現実逃避だ。己の朝鮮人に対する無理解が自身の無知から生じている、という自覚がない。また著者によると「自らの意思で国民を護ることを放棄した国家は独立していない」そうだが、制空権を剥奪され国民の頭上に夥しい数の爆弾が晒された時点で戦争を止めなかった戦前の日本は、著者のいう独立国家だったのかどうか聞いてみたいものだ。少なくとも、自らの意思で「武力を用いた問題解決は図らない」という「より崇高な誓いを立てている」という観点は、彼にとっては独立の是非を測る指標ではないらしい。そもそも武力では問題は潜在化・隠蔽化・長期化・複雑化するだけで、時間稼ぎにこそなれ決して解決はしないのだが。彼は核武装には反対なので、他のネトウヨ文化人に比べればまだマシな方なのかも知れない。だがこのような幼稚で哲学の浅い人物が国政に少なからぬ影響を及ぼしている限り、日本は北朝鮮と交渉の場を維持することすらできないだろう。何故ならこうした人は一時の感情に流されやすいので長期的視野に立てず「交渉が下手」だからである。こうした問題解決の低いネトウヨと彼らに支持された政権に頼らざるを得ない拉致被害者家族が不憫でならない。 2021-09-23 4550943 0 0 8p9j-a-v2 cvnEh-%CD%D9%A4%EB%B9%A9%B7%DD%B2%C8-v2