俺の望みはひとつだけ！

こんなに良い人ばかりの気持ち良いハッピーエンドって他にないかも？と思ってしまいました。それほど気分よく読めました。ニコは恋愛以外はパーフェクトで、レオも恋愛以外はスパダリ。そしてその２人、恋愛だけはすごく不器用で、読んでいてハラハラドキドキしどおしでした。でも、お互いを思う気持ちはだれよりも深くて、とっても素敵。周りの人たちもそれぞれに魅力があって、読んでて満足満足。表紙の２人がほんとそのままの美しいカップルでした。すごくお勧めのお話です。

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冒頭の婚約破棄してきたアホ王子、やらかしたことも、これからやらかすことも全てコイツが悪いし、子供っぽい思考と変に高いプライドがこの事態を引き起こした事は百も承知で言うけれど、主人公も悪いところはあったと思う。婚約者として、アホ王子に歩み寄っていたかというと…本人も作中で吐露してたように…全然出来てなかったと思うから。王子にとっての実家は王家と言えど名ばかりで、実態は大公家の方が上。自分と同年なのにはるかに賢い婚約者(主人公)は、天使と褒めそやされる美貌だけどそれを鼻に掛けることは一切無く、誰にでも気さくな人気者。それなのに自分に対しては塩対応。婚約者としての交流を求めても、用事やら研究やらで断られる。そこで彼我の力関係をしっかり考えて、これからのことを建設的に話し合おう…って思考にならず、なぜか浮気に走っちゃったのがアホ王子のアホな所なんだけれどね。ともあれ主題はアホ王子とのいざこざではなく、激重な両片想いの主人公とレオくんの恋。お互いに、相手がそばにいないと生きていけないレベルで想い合ってる(でも主人公は途中まで無自覚)二人。特に主人公は、食べられないし寝られないしあれだけ大好きだった研究だって後回しになるくらい凹んでた。盛大に周りを巻きこんで、宰相以下、事情を知る人たちは皆生温かい目をしてたんじゃないだろうか。エチは終盤と番外編で。想いを交わすまではハグだけにとどめたレオくんの自制心が素晴らしい。個人的には、挿絵が無かったのが残念。表紙の絵で、もっとラブラブな二人を見てみたかったな。

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